もっちーですら

あんなことを言うのだもの。

大規模リリース初日夜のバッチでデッドロックが発生して深夜1時に保守担当に電話が。担当の認識違いが原因で連絡があまり上まで行かずに修正作業が迷走。原因が突き止められて修正テストの終わったのが朝方4時すぎ。その夜、はしごたん騒動にうつつを抜かして寝不足気味の俺が出社したのは8時半。運用ルームに60人以上が集まっていて前場の開くのを待つ。前夜のダウは平凡な24ドル上げ。新規上場はない。あと1分か、3、2、1、CPU使用率が一気に上がる。40%、50%、60%、あぶねー、あ、55%、35%、落ち着いた。値つかず特別気配の銘柄もさほどなく、最初の山場、9:05が過ぎる。おおーっ、どよめき。そして三々五々。部長、「さて、昨日のデッドロックについてだが」

もちろん客番号別の排他処理モジュールは共通化されていたけれども呼び出し処理の記述は外国人が書くのだし、チェックリストは新人がコピペしたもの。すでに必要がないのだけど、とりはずす作業は大変だから来年以降に、ということになっているところの【気にする必要のない】別の共通更新処理モジュールについての記述はチェックリストからグレーアウトされている。が、排他処理よりも外側にその記述があれば排他は不完全だし、デッドロックは起きうる。リアルタイム処理用のプログラムのバグが夜間バッチで発生したのは不幸中の幸いでバッチ遅延だから直接顧客への影響はなし。

ああ、あそこの記述が逆になってたのね、という想像力が働くのは下の人だろうし、その確認がテストリストから漏れていたことを気にするのはレビューした中堅で、結合テストで発覚しなかったのはなぜなんだぜ、と思う保守担当がいて、本番テストのデータってどんだけあったの?とか、さらにその他その他。新人でテストの一部を担当していた自分は直接バグモジュールは持っていなかったけれども、ああ運が良かったな、ぐらいの感覚もあり、落ちたらシナモン画像でも出しときゃいいじゃん、一日二日の株価でぐだぐだいうギャンブラー死ねばいいのに、つか、べつのとこで空売りすりゃいいだろJK

でも昔、カネボウの株式統合の日に差金で売れなくてオペレータに怒鳴り散らしていた自分ちゃん、差金決済禁止は知っていても前受け金なしで買えるシステムなってることを知らなかった自分ちゃん、買えた現物株が売れないとはどういうことだ!、オペレータはなんにも分かってないし、市況1スレに書いても叩かれるし、結局気づいたのは自分でATMに走ったのだけど、あれ、これ差金とは意味ちゃうやろ、その他。

なにを勉強したらいいのか、分からない。

マンキュー先生がしきりに、説明できるようになることが経済学の大きな役割の一つですと言うのだけど、先のバグで災厄が自分に降りかかってきたら、そりゃのらりくらり、細かい技術的な説明は自分の担当じゃないから、でも、どうしたらいいっすか?と頼られたときに誰に電話すればいいのかの指示でしかない。仕事に一番必要なことは、誰がなにを知っているかを知っていることであり、誰に電話をかけて出てもらえるかであり、そう割り切ると、別に高卒だし、とか、関係ない気もするが、問題は、そうなると、誰がなにを知っているかを知っていることで競争が発生するのだ、ということ。

コミュニケーション能力がないからこの業界選んだんです>< + 大事なのは技術よりコミュニケーション能力です>< の複合サボタージュの罠は、つまり誰にでもできる仕事であればあるほど、競争は人間力の場で行われ、リア充度の闘いになるということ。