マイクロフォーサーズとFDレンズで自力根性ティルト&シフト撮影計画〜妥協編

すぐに飽きるのだろうが、逆ティルトでミニチュア風写真を撮りたい!とか、シフト使ってスイカツリーを見上げるような極端に上すぼまりのヘロヘロタワーにせずにまっすぐに撮りたい!とか、自慢のお料理をコンデジ使わずに近接で撮るときに無意味にボカさずにちゃんと撮りたい!と思うとき、フランジバック(撮像面からレンズまでの距離)の短いマイクロフォーサーズのカメラはなにかと有利であることは間違いないのだが、いざやろうとするとなかなか大変で。
標記を行うにあたり、またまたレンズが必要になるわけだけども、手段はいろいろありつつも、決め手に欠くものが多い。
 

FD->μ4/3アダプタ + New FD TS35mm F2.8

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マイクロフォーサーズのカメラでティルトとシフトを両方できるレンズをゲットしようとすると、一番現実的なのは、発売当時世界初の一眼用ティルトシフトレンズであったこいつをゲットすること、キヤノン製なのでそこそこ流通もしている、なんだけど、まぁ、高い。ボロめの中古並品、マイクロフォーサーズキヤノンの古いフィルムカメラでしか使えないのに4万円台か。
高くてもこれでオール解決となれば検討の余地もあるのだが、しかしこいつは画角が35mm固定であり、μ4/3にとりつければ70mm相当となる。望遠すぎる。ミニチュア写真や建物写真を撮るのに画角が70mmでは近すぎてお話にならない。
 

ペンタコン6->EFティルトアダプタ + EF->μ4/3アダプタ + ペンタコン6レンズ

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ウクライナ製のペンタコン6マウント用のティルトアダプタヤフオクなどで大量に流通している。変換先はニコンキヤノンなので、自分はキヤノン→μ4/3アダプタを持っているから、これを2重に噛めばいけるかも。アダプタ2重で傾斜の効果が弱いならEOS Kiss Digital N で遣う手もある。なかなか良い方法な気もするのだけども、しかし問題点が2つ。
そもそも、ペンタコン6マウントのレンズがどこに売っているのか見当もつかない。あっても広角のものが安く入手できる見込みはほとんどなさそうである。
そして、これだとティルトはできてもシフトができない。スカイツリーが撮れない。ので却下。
 

ニコンペンタックスキヤノンEF、オリンパスOM等->μ4/3ティルトアダプタ + 各種レンズ

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こういうものがイタリアで発売されている。素晴らしい。のだが、キヤノンFD用がない。フランジバックが短めなのと、FDのマウントが特殊であるゆえ、ということが後で分かったのだけど、これもまたシフトができないということと、激安FDレンズが使えないので、現行機種でも使えるために中古でも高いニコンやペンタのレンズとか、あと安いけどいまさらオリンパスOMのレンズを揃えるのが嫌。EFレンズなら持ってるけど、あらたに画角を増やそうとすると高いし、絞り開放限定というのが悲しすぎる。
 

4/3->μ4/3ティルトシフトアダプタ + 4/3レンズ

こういうものが日本で発売されるという。しかし発売が延期になっており、いつ出るのか分からない。メーカーHPには写真すら出ていない。この製品はオートフォーカスも作動させる、というのだけど、だとすると25mmのパンケーキか、14mmスタートの標準ズームレンズも使えるので最高だなと思うのだけど、しかし未発売だし、そもそもフォーサーズのレンズのイメージサークルって、マイクロフォーサーズと変わらないんじゃないの??? レンズずらしたり、傾けたりしたらケラれないの? という不安が残る。
 
ここまでが、それなりの製品を使ってレンズをズラしたり傾けたりしつつ固定し、撮る方法。どれもいまいち。となると、レンズ手持ちでやるしかないのだが・・・手持ちでやる場合に最適なレンズは・・・?
 

ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6

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マイクロフォーサーズ用のレンズではフランジバックがピッタリだから傾けることは不可能。そこでフォーサーズ用のレンズを、となると、こいつが14mmスタート・・・つまり28mmの画角から使えて、中古は数千円で買えるし、通常アダプタつければ普通のオートフォーカスレンズとしても使えるし、先のティルトシフトアダプタが日本で発売されればそれも使えるから最高なのだけども・・・
しかし手持ちティルトシフト用として考えると、やはり絞り開放限定となるのが残念なのと、上記同様、フォーサーズのレンズではイメージサークルにどれだけ余裕があるのかが分からない。傾けてケラれては困る。やはり大きいフィルムカメラ用、レンジファインダー用のレンズでやりたいわけで。
 

ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6Aspherical II

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イカMマウント用のこいつが今日発売された。24mmの画角になり最高だ。しかし高い。。。ティルトシフト専用でなく、ふつうにスナップ&風景用レンズとしてもなかなか良いのだけど、画質の評判はライカで使うと素晴らしいがE-P1だと・・・みたいな話が多い。そしてライカMとマイクロフォーサーズのフランジパックの差は小さく、あまり傾けるのには向かないのと、開放F値が5.6と暗めなのも気がかりだ。
上の二つを諦めると、なかなか2倍しても広角になるレンズはないわけで、安物買いの銭失いまっしぐらの俺はこれ↓を買った。
 

New FD 24mm F2.8

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絞りリングが少し硬くなっている中古Bクラス品。こいつで画角は48mmになる。なんだけど、問題1。FDマウントのレンズというのは、マウントに装着しないと絞り輪が動いてくれない。
 
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そこで、エクステンションチューブのジャンク品を分解して一番上の金属の輪っか部分を取り外して装着することに。
 
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しかし・・・ネジが・・・死ぬほど・・・硬い・・・ナメまくりwww
 
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手持ちのドライバ勢ぞろい。結局、右から2番目のドライバーのみ有効だった。が、ネジ一本はナメてしまったのでかなり苦戦した。
こうすると・・・旧FDマウントのレンズなら絞り輪が動くようになるのだが、悲しいことに、NewFDマウントのレンズでは開放になってしまう。
 
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マイクロフォーサーズ用のアダプタを見てみると、なるほど、ピンが必要なのだ。爪で押さえながら撮るとかwwwできねえwwwあー面倒くせえ・・・シフト撮影なら少し絞りたいわけだけど、ティルトなら開放でもいいか・・・ピンはあとで取り付け方法を検討することとして・・・ということで、こいつでティルト・ミニチュア風撮影にトライすることに。
 
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この袋に穴を開けてレンズを突っ込み、レンズ〜ボディ間を遮光する。
 
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DMC-G1 + CANON FD ExtensionTubeの先っぽの金属製の輪っか + ソフトケースの穴を開けたもの + New FD 24mm F2.8 + CPLフィルター ※以下同
JR四ッ谷駅近くの橋の上にて。いちおう Raw Therapeeで現像。トーンカーブコントラストを上げて、あと彩度も上げている。つか、ホトショップがあれば、こんな苦労しなくても全部レタッチでできるのかもだけど邪道だよねw
 
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橋の上から見下ろすのでカメラはやや下向き斜め。レンズは逆ティルトをかけるため水平よりやや上向き。ピントリングは「∞」よりやや内側で固定。カメラとレンズは離して傾け、腕をぷるぷるさせつつライブビューを見ながらつけたり離したりしてピント合わせ。手振れ補正のあるE-P1のが有利かなとも思ったが、ソフトケースで遮光するのにDMC-G1の形状のがやりやすいのと、あとは日中の外だからシャッタースピード上げれば問題ないと判断。しかし画角48mmでは、やはり・・・近すぎる・・・
 
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距離を稼ぐため、新宿へ移動。
南口のフランフランの外のバルコニー?から撮影。カメラが水平に近づくほどレンズは空を向くためフレアというか・・・もっと見下ろす位置のがいいんだけどな・・・
 
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埼京線とか中央線だと距離が稼げるのだが、総武線は近い・・・
やりたいことは、画面の上部と下部をボカすことだけ。
なにやってるんだろう俺。早くハロワ行けよ・・・
 
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最後は、高島屋の奥の紀伊国屋書店前から。
やはり48mmだと、ビルの展望台とか行かないとダメぽ。逆に望遠系のレンズは山ほどあるし。
まぁ、あと、やはり、もう少し絞りたい。
 
参考:禁断の根性ティルト : ズイコー-フォーサーズ あれこれ + FX