ストロボ連休日記

20110211t01
E-P1 + PenF 40mm f1.4 + FL-36
前提として皮膚健康が悪く、まったくなにをもする気も起きないのだがなにかをしなければとも思わないぐらいには年老いて、それでも山場というか健康診断には行き、およそ即座に分かる範囲ではもう少し痩せても良いだろうというほかには問題なく、むしろバリウムを飲んだ後の腹の調子がいまいちな感じがするぐらい。まさかこの記事を最後に腸が破裂して死んでしまうなんて思いも寄らなかったなんてことになるのか知らん。それから右目の視力がやはり悪くなかった。だからモデル撮影会では眼鏡が邪魔なのだ。
そして雪が降るほどの寒さ。俺だって小笠原諸島だのバンコクだのアユタヤだのマイアミだのボゴタだの行きたいのうとは思いつつも、そういうわけにも行かない無縁社会というか仕事持ちの身。仕方なく桜木町新幹線に乗ってまたまた葛西臨海公園へ行くしかない(行ったのは先週だけど)。
 
 
 
20110206t13
DMC-G2 + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S. + FL-36 (ISO:200 f4.0 SS1/400 0EV)(FP Manual発光))
仕上がりを見ていて思ったのは冬なのだなぁということ。彩度を上げても緑がうるさくならない。今までわりかし1レンズ、1撮影会、みたいな感じでCanon NewFD50mmf1.2、PenF40mmf1.4、TamronSP90mmf2.5など試してきたけれども今回は LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S. ということで。現代デジタルレンズに回帰。オリンパスの神マクロ 50mmf2 と迷ったのだけど、手振れ補正が効き、鏡胴が伸びず、AFも相対的にかなり早いこちらにした。あと、今までも持参はしつつもあまり使っていなかった OLYMPUS FL-36 外部ストロボをガンガン焚くようにしてみた。いや、ストロボを使いたいから、ピント合わせに神経を使いたくなかったというのもある。ピントはパナソニックの顔認識に任せて問題なしだった。Light Room2 の補正なんかしなくとも、またレフ係さんの腕に頼らなくとも、自力でしっかりと顔を明るく撮れるのはまぁ、ストロボさまさま。あと、ま、こういう構図だと、測距点が中央に集中したEos5DMarkIIではオートフォーカスが使えないというトホホ感とか。ポートレートレベルのオートフォーカスはやはりコンデジ譲りのコントラストAFが便利だし正確だ。
 
 
 
20110206t10
RICOH CX4 + 内臓Flash
ストロボを乗せるとそれにりにカメラは重くなるので、ハンドストラップ的なものもつけた。45マクロの四角い付属フードはフードとしての役割を果たさないので、前に長い望遠フードか、と思ったが、それよりはステップダウンリングを重ねてフジツボ型フードとした。ディフューザーなんかも何種類か持ってるけれども、少なくとも壁際以外の屋外撮影では不要かな、と。むしろ、テンポよくシャッターを切るためには、チャージを早くしないといけないのだが。(逆にこういう物撮りのシーンでは、CX4の内臓フラッシュではバウンスもできないわけで・・・つかフラッシュが被写体なので仕方なく、影クッキリ写真となる)これでも間に白い紙入れて調整してるんだけども。。
 
 
 
20110206t02
DMC-G2 + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S. + FL-36 (ISO:200 f2.8 SS1/800 0EV)(FP Manual発光))
構図的には、タムロンでアップを攻めるか、広角寄りでいくか、というと後者に志向は向き始めながら、この日はボケ味の綺麗なマクロレンズ持参ということもあり、クネクネ道が奥行きを感じさせるいい感じのところでは少し寄ってみたり。ても、90mmではなく45mmレンズではあるから、これぐらいに撮るにはトークをはずませないと勇気が要るようなシチュではあり。
で、ストロボだが、焚けてるのは7枚に1枚程度だった。チャージを待ってられないので。基本的にはMFT遣いのくせに背景はボカしてナンボのレンズ沼なのであんまり絞らない。というか、このレンズ自体、そんなに絞らなくていい仕様だ。それでシャッタースピードは1/800とか場所により1/2000とかにもなる。この日は曇っていて抜けも悪く、もやもやした感じ。とはいえ、f2.8を開放にするとそれたりにSS早い。だから普通にストロボを焚くとSSが追いつかず(というか、強制的に1/160に落とされて)真っ白白飛び写真となる。だからFL-36のフォーカルプレーンシャッターモードにして、シャッター幕が開く前からゆるく光り、閉じるまでゆるく光り続けるモードを使う。このFPモードとTTL-AUTOで組むと、すごくシャッターが重くなる。いや、シャッターを押す→ストロボがゆるく光りはじめる→シャッターが切れる、というステップを踏む感じ?で、ともかく、ただでさえ1テンポ遅れるEVFで撮ってるのに、ぜんぜん表情を切り取るということができない。FP Manualにしたら多少改善したのだけど、それでもシャッタースピードの速い場所ではキツい感じがした。
あと、モデルのレオーニさんは担当レフ係のあんちゃんと共に和む人なので雰囲気は良かったがお疲れモードの肌荒れが少し気になったのでGIMP2でそれなりに気合入れて補正したり。白目を白くしたり唇の端や鼻のまわりをボカしたりとか、プロがやってる手順を少し真似てみた。
 
 
 
20110206t11
DMC-G2 + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S. + FL-36 (ISO:200 f5.0 SS1/2000 0EV)(FP Manual発光))
葛西臨海臨海の場合、海辺に出るのは午後の遅い時間。ほいで真逆光。この日もレフ板頼っても顔は真っ暗に近く、今までも海辺でまともに撮れた写真がなかったのだが、FL-36 ストロボの力でどうにか、バックの海キラキラ写真とともに。で、ストロボの来ているものを選ぶので、ポージングとか表情とか構図は二の次に。。。
F5.0まで絞ってるのに1/2000秒。背景が明るすぎて顔が暗い。この写真は最近のテストというかで彩度を上げてコントラスト下げて色温度を下げて、てことをした後に全体的に露出も上げたりしているので、ちと画質劣化気味だが、それならはじめから露出補正で+1.0EVぐらいしとけよ、ほしたらSS下がるやろとか、そういうのは帰宅してから気づく話だったり。(いや、自分は素人なのでAモード(絞り優先)で撮るのだが、シャッタースピードいじりたいときにRAW撮りなら絞りでなく露出いじる手もあるだろ、ぐらいは考えるようにしよう。。→て、このシーンは絞ってもいいのだけど)
 
 
 

20110213t01  この日最初に使用したのは、FP TTL AUTO モード。FPとは、フォーカルプレーンシャッターの略で、ストロボとフォーカルプレーンシャッターのビミョーな関係 : Xylocopal's Photologに詳しいが、要するにレンズ交換式カメラのほとんどで採用されている方式(コンデジは無音のレンズシャッターが多い)。で、先の解説にある通り、ある程度以上短いシャッタースピードで撮れるほどに光量のある屋外などの撮影において、さらにストロボを焚いて光を調整したいときに使うモードなわけだ。ポートレート撮影においては、原則的にモデルさんを順光では撮らない。眩しくて表情が出ないのと、陰影がクッキリ出てしまうのを避けるためだ。順光で撮るのは記念撮影する素人さんだけ、というわけで、逆光になると今度は顔が暗くなるからレフ板で反射させて補うわけだけども、自分のようなカメラ練習小僧の集まる大撮影会では、レフ係さんはいても、常に自分の位置から最適な方角へレフ板をあててくれているとは限らない。とくに目線の来ていない瞬間を撮ろうとすると全滅である。だから各々でストロボを焚いて光をあてようとするわけだ。で、FPモードにしないと、各カメラの性能限界を超えるシャッタースピードでは撮れなくなる。DMC-G2の場合は、まぁ、1/160秒が限界。F2.8のレンズ開放では1/800とか1/2000とかザラなので、他の細工をしない場合、FPモードは必須。
MODEボタンでFP TTL AUTO に合わせたら、基本的にはあとはお任せモード。TTL AUTO とは、発光前に一瞬発光(スーパープリ発光)させて、露出や被写体との位置関係?など勝手に計算して自動的に程よい発光量で光るわけだ。それでも具合がよろしくなければ、1枚目の出来を見て、ダイヤルを回すと-3.0〜+3.0の範囲で光の強さを調整できる。すばらしい。大変使いやすい、と思いきや。FP モードでは、本来ストロボなしで出るべきシャッタースピードが1/160を超える度合いによって、シャッターを切ってから発光&切れるまでにタイムラグが出てしまう。1/4000になるような場合など、ポチッ、ピカー、カッシャリ、という感じで、今の表情!と思ったときにはもう過ぎている。FPでない場合にはシャッターが開いている間のどこかのタイミングで一瞬光れば良いだけのものを、FPの場合には、シャッターが開く前に光りはじめ、シャッターが閉じるまで光り続けていないと均一に明るくならない。そんなわけで、シャッタースピードが早いのとは逆に発光時間は長くなるわけ・・なのか?。それがどう影響するのか分からんけど、ともかくFP TTL AUTO のシャッターは重くて、一瞬を切り取るのには向かなかった。スーパープリ発光がモサいのかもしれない。少人数撮影なら使えるかもしれないが、囲み人数は大勢いて、目線の来るのも数秒、となると、絶望的である。そして撮影後にAUTO CHECKランプが点滅して正しく発光できたかをチェックしているらしいのだが、それが終わるまで次のストロボが焚けない。だから「7枚に1枚ぐらいしか焚けていない」ということになる。 20110213t02
20110213t03 ストロボを屋内で使う場合にはまた違う要素が出てくるだろうが、屋外で使う場合には、被写体のほかは空とか森とか、べつに壁が明るいとか暗いとかはシビアでない。光量を測るためにスーパープリ発光させてる暇があったら、もっとすばやくパシャパシャ光らせたかった。それが FP MANUAL モードで、今回の撮影で多用したもの。速いシャッタースピードに適用できるが、光量は自前で調整する。
撮影時には気づかなかったのだが、FP MANUALでダイヤルをグリグリやると、+-いくら、ではなく、下の大きな数字のガイドナンバーまで変えることができ、超明るいのから、かなりの微光まで自由に変えられる。そしてスーパープリ発光がないためか、1/4000になるようなシチュエーションでもサクッとシャッターは下りてくれる。室内でこれをやると白壁などすぐに白飛びしてしまうが、屋外では空まで光は届かない。被写体が明るくなればなるほど、白い空は相対的に暗く、青いいい色になる可能性がある。すばらしい、と思いきや、こちらもまた、ストロボのチャージに妙に時間がかかるのである。なんなんだよ、やっぱEOSじゃないとダメなの??? 20110213t04
20110213t05 ここから先はまだ試していないのだが、TTL AUTO。暗い場所でストロボを焚く一番メジャーなモード。TTL AUTOという言葉自体はオリンパス用語なのかもしれない。よく知らない。室内で試してみたところ、チャージはメッチャ早い。パシパシ光らせて撮れる。これもレンズ受光部を通して光量を計算する。そのためのプリ発光もやる。だから、シャッタースピードが早くなるような明るさではモサくなる。というか、FPじゃないので、そもそも1/160を超えるような明るさではSSは1/160にロックされる。だからシャッタースピードが1/160以下になるように、絞りを絞ればいいのである。足りなければ、ISOを(DMC-GH2を除くMFT機種の標準機は200だが)これを100にする。さらにRAW撮りをしているのであれば、露出補正で明るい方に振ってしまってもシャッタースピードは下がるだろう。ともかく絞れば、このモードが光量も適切に、次々にストロボを焚いて撮れる。すばらしい。SSが1/60を下回れば1/60で、1/160を上回れば1/160で、それなりに写るようにしてくれる。ただこの1/160を大幅に上回るときにはシャッターがモサくなる。ところで、左記写真の「ZOOM」という表示は、ストロボが接続レンズを自動認識して表示していることを示す。12mm、14mm、17mm、25mm、35mm、42mmとズームボタンを押せば切り替わる。
今取り付けているレンズは45mmだから、MAXの42mmということになる。ズームボタンを押すごとにこの値は切り替わり、接続中のレンズとは異なる焦点距離にセットしていることを示すのが「M ZOOM」だ。ストロボの首を下向きに、マクロ撮影モードにすると、これは自動的に短い焦点距離になる。 20110213t06
20110213t07 TTL AUTOで撮れるぐらいに絞ってしまえば、ストロボ撮影にテンポが出るのだが、絞ってしまうと背景や前景のボケが弱くなってしまう。とくにMFTは撮像素子が小さいなんちゃって一眼なので、より一層ボケない。ボケなくていいじゃない、っていう人は、もちろんこうしたストロボの細かな調整ができるメリットのために一眼を使ってるのかもしれないし、そうではなく特大のポスターをプリントアウトするときの画質を気にして使うのかもしれないけど、俺みたいにウェブオンリーでプリントアウトはしないわ、ストロボの基本機能すら知らないわ、になると、そんならコンデジでいいじゃない、ということになってしまう。あ、TTL AUTOでも-3.0〜+3.0の光量調整のできることを示したのが左の写真。
次にモードボタンを押すと、AUTOというのがある。オリンパスの外付けストロボで、対応したオリンパスパナソニックのカメラを使っている分には、TTL AUTO に対するメリットはないと言われるが、これはレンズの受光部ではなく、フラッシュ側の感光部で光量を測って調整を行うらしい。だからディフューザーをかぶせたりして光を拡散させる装置を組んだ場合には正しく計測できなくなる。しかし屋外でディフューザーなんかいらんわ状態であれば、プリ発光を行わない分、こちらのが少しテンポが良い。このワンテンポ、重要かもしれないのだ。TTL AUTO同様、チャージは早い。 20110213t08
20110213t10 最後、MANUALモード。結論からいうと、これが一番テンポが良い。カメラ内臓フラッシュと同じ動きになるのだと思う。(内臓フラッシュの光量調整はカメラのメニューから行う必要があるが、こちらはダイヤルで素早く変えられるのがメリット)そして1/160を超えるシャッタースピードのシーンになると、画面は一気に真っ白写真となる。自力でダイヤルグリグリで調整したほうが・・・つまりシーンと、ガイドナンバーと、距離とか天気とかで、だいたい数字が見えてくる域になれば、これが一番いいのかもしれない。ただ、シャッタースピードを落とす必要はあるので、屋外では絞ることになる。絞りを開けたければ、あらかじめNDフィルターで分厚いサングラス状態のレンズにして、つまりストロボ前提の撮影ならば、はじめからシャッタースピードの出ないレンズにして臨めば、まぁ、いいのだろう。それで天気が悪くなってきたら手振れ懸念の世界まで来るだろうが、ISOで微調整するなり、最悪フィルターをはずせば撮影は続行できる。
こちらもダイヤルでグリグリ、ガイドナンバーを変えられる。テンポが良ければ、テスト撮影→写り確認→次の1枚、とやっても、FPのチャージ待ちよりも早い。 20110213t11

 
 
 
20110206t14
DMC-G2 + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.(ISO:200 f4.5 SS1/1000 0EV)
写真勉強本を10数冊読んでいるが、ストロボ使いは魚住誠一先生のものに頼りがち。RAW現像で先回から彩度を上げてコントラストを下げて色温度を下げて、というあたりは長野博文先生の手法の真似。唇、鼻まわりをボカしたり、白目を白くしたり、出来物を消すのはプロならみんなやっているようだ。自分はホトショップを持っていないので、GIMP2でチマチマやっている。モデルさんの好みが合うかどうかは、よく知らないし、行ってみて適当に、という現状で。
 
 
 
20110209t12
Canon EOS Kiss Digital N + EF50mm F1.8 II (ISO:100 f1.8 SS1/400 0EV)
彩度を上げて、不自然にならない程度にコントラストを下げると頬の赤みが増す。というのを昔Kiss丼で撮ったやつとかもいまさらイジってみたり。
KISS丼のRAWはPanasonic付属のSILKYで読み込めないため(そしてマイクロフォーサーズレンズではないのでデジタル補正が不要だろうということで)無料のRAW THERAPEEで現像。これはこれで使いやすい。まぁ、一眼「レフ」でパシャパシャやってるのでピンボケ気味だが。
 
 
 
 
20110211t02
E-P1 + PenF 40mm f1.4 + FL-36
そういうことをしているうちに3連休は終わる。
ストロボを焚いて雪景色を撮ろうとしたらもう止みかけていた。
 
仕事は快調でも飲み会には出ないし、スノボの話題になると、しんどい。
「その話、ストーリー性ないよね」
という顔をして、タバコの火を消すのみ。