KJM 〜 事件のことを一言も話さないし、レンズとストロボの話しかしない

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 7月の第二週末といえばプール開き。毎年恒例のM町公園プールの早朝コースで焼豚になろうかと思いきや、LUMIXの写真ブロガーであるzaikabou先生に鉢合わせる可能性が高いため回避してグダグダと工作&ホームセンターで過ごす。もっとも野毛山にプールがあった頃はもっぱらそっちの人だったのだが、あそこで毎週焼き豚になっていたロシアン娼婦のサーシャもターニャも今はどこへ行ったのやら。アートの町、横浜。俺もいつか、追い出されてバイバイされる日が来るだろう。そうして、あたりはアートと爬虫類と中国茶のオサレタウンにでもなればいいんだ。
 今年からはその一週前、7月の第一週末といえばプール貸切でフォトジョ!アイドル水着撮影会!、ということで、ブログで紹介するのがもろもろ面倒ではありながらも爬虫類よりもはるかにかわいい神秘の生き物、モデル女子のおケツを追いかけて、根岸の横浜プールセンターでNIKON D40を3台振り回していたら、先に腕だけ真っ赤に焼けてしまった。その模様をはてなブログでレポートするかどうかはともかくとして、最寄のJR根岸駅である。
 
 
 
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 ラブホテルとチャーハンの町、石川町から山手を抜けたJR京浜東北線は根岸から先、地図でしか確認のできない海辺を走る。視界をさえぎるものは、新日本石油の製油所であり、レンズ沼風に言うと、KJMだ。
 
 
 
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 線路に遮られた新日石の工場にはバズーカーレンズと三脚を抱えたキモメンが無事に入れそうではないので、一つ先の磯子駅で下車。謎の歩道を根岸に向けて戻るように歩く。ひたすら歩く。東へ向かう道、右手が海なのだろうが、すぐとなりの工場の入り口はどれも「関係者以外立ち入り禁止」である。
 
 
 
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 昨年あたりにブレイクしたミラーレスのカメラのシャッタータイムラグと比較して、反応すればすぐにシャッターが切れるデジタル一眼レフNIKON D40(中古:1万4000えん) に惚れて数ヶ月。600万画素でも充分撮れるじゃない、と思いつつ、こうして久しぶりに1210万画素の Panasonic DMC-G2(新品:レンズ売却差引:約9000えん) で風景を撮ってみると、うーむ、やはり画素数も大事ですなぁと感じたり感じなかったり。
 露光時間で夜なんだか夕暮れなんだかも自在に加工できる月夜の工場萌えをバックに、長友選手とともにMAZDAのCMに出れるようなモデルさんを水着にして、左方に1つ、右後方に1つ、本体に1つ、合計ストロボ3灯のスレーブを駆使して神秘のポートレイトを撮りたいでござる、などとひとり思いにふけりつつニヤニヤしていても通報されない夜道は、ひと気がないわけでなく、夜釣りに来ているオッサンや若者たちが等間隔にいるだけで、暗くて顔の表情までは見えないのだ。巻き取られるリールの音、投げ込まれるウキの蛍光色、タバコの煙、赤い丸、ラジカセから聞こえる壊れかけのAMレディオの交通情報。その横をサウナスーツ姿で走り抜ける、つかの間の孤独な女子ランナーたち。
 
 
 
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 根岸駅からバスも出ているようだが、歩いてやってきたのは、新日石の対岸、東電とJパワーがそれぞれ持っている横浜南火力発電所だ。
 
 
 
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 すでに手元に残るマイクロフォーサーズ用レンズはごくわずか。望遠の Tamron SP 70-300mm F4.0-5.6 がそのまま使えるのはD40のほうだから、こちらに持ち替えて、磯子の東電側から根岸の新日石を撮ってみた。
 イソ感度は1600。露光時間は1/5秒の手持ち。まだ日が暮れ切る前なのだが、それなりに写ることは写る。質感などむしろ失われてしまえば良い工場萌えなので、ノイズ除去も強めにかけている。色温度もぐっと下げて。
 
 
 
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 一方のこちらは東電側。火力発電所の建物だろうか。いつ爆発してセシウムストロンチウムが出てきたりやしないかとヒヤヒヤしそうな雰囲気の。DMC-G2 + LUMIX 20mm F1.7 。カメラの底面にはマンフロットのポケット三脚をつけて。
 
 
 
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 ポケット三脚の弱点は縦向き固定のできないことだが、そこはPanasonic のバリアングル液晶、少し開いてハの字にすれば、ある程度の角度調整は余裕だし。
 
 
 
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 そうして夜も更けて、改めて海を挟んだ向こう側、根岸の新日石の工場を撮りたくて、トラベラー三脚を取り出した。外で三脚を使うのは初めてだ。なかなか手こづる。はじめはNIKON D40 + TAMRON SP 70-300mmで撮ろうとしたのだが、暗いのでAFが合わずシャープな絵が出てこない。仕方なく、アダプタを介してこのレンズをDMC-G2のミラーレスに接続。残念ながら絞りが開放に固定されて手しまうが、それでも向きを変えた液晶の10倍拡大表示を明るく表示させてギリギリまでマニュアルでピントを追い込むのは楽しい。換算140mm-600mmの超望遠になるが、そこまでアップにする必要はない。露光時間は2.5秒ほど。工場の明かりでさほど長時間取り込む必要はないようだ。
 日曜の夜だけれど、むしろ明かりが少なければもっとシャープに撮れたかもしれないのに大量の点光源が邪魔であるなと思った。
 
 
 
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 RAW現像ソフトに出来る範囲で、HDR風に処理してみた。
 
 
 
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 600mmまでアップにすると、こんな感じで。
 心の美しい人の目には、階段の上の通路で立ちバックしているカップルの姿が見えるはずだ。
 
 
 
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 さらにHDR。このレンズはテレ端が強い。F11まで絞れるともっと良いらしいのだが、アダプタつなぎなのでそれができないのは残念。
 
 
 
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 月は手持ちで余裕ですた。
 
 
 
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 工場地帯でも海は海。
 
 
 
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 大口径のSIGMA85mmF1.4、手持ちで撮ってみる。
 
 
 
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 色温度を下げる。
 
 
 
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 なんちゃってHDR。
 
 
 
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