ピントチェック・ノイローゼ MarkII

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上の画像は窓のない蛍光灯下の屋内、127.5mm相当の焦点距離のレンズで被写体から2mの距離より撮影した2110万画素フルサイズセンサーの出力結果の等倍画像をブログ用に縦横半分にしたもので、左の情報からバストアップの構図、顔は写真の1/3ぐらいの大きさになるものであることはレンズ沼の住人ならば皆瞬時に分かるわけだが、上の4枚がF2.8、下の4枚がF4.0の絞りで撮っており、すべて手持ちではあるものの、ISO感度焦点距離の逆数相当のSSが出るようにかなり上げてある。そして気にしているのはピントの精度だ。F4こそ許容範囲と言えなくもないが、F2.8は半分がはずしているといっていいだろう。この近距離で。俺はしにたいと言いたい。つまり、CANON EOS 5D MarkII + Tamron SP 70-200mm F2.8 A001だ。
 
 
 
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上の画像の組み合わせは順不動で以下
NIKON D40 + SIGMA 85mm F1.4 で、被写体から2m (バストアップ)
CANON EOS 5D MarkII + SIGMA 85mm F1.4 で、被写体から2m (ウエストアップ) 
CANON EOS 5D MarkII + Tamron 28mm-75mm F2.8(A09)の75mmで、被写体から2m (ウエストアップ)
CANON EOS 5D MarkII + Tamron 70mm-200mm F2.8(A001)の127.5mmで、被写体から4m (ウエストアップ)
さて、どれがどのカメラとレンズの組み合わせだろうか。
APS-C(D40)とフルサイズ(5D2)でセンサーサイズが異なるのだが、画素数も600万(D40)と2110万(5D2)で異なるため、同じ焦点距離のレンズを使うと、100%等倍画像の瞳の大きさはだいたい同じになる。写真全体の構図はもちろんD40のほうが狭いのだが。
D800スゲェーと言う前にこういう問題を解決していかないといけない。一番上の行が5D2とSIGMA85mmの組み合わせだ。BOKEH指数が60.71と、今回のテストでもっとも薄い被写界深度ながら、さすがは手持ちレンズの中でもっとも新しい設計のもので、開放逆光でパープルが出やすい弱点はあるものの、中央部の解像力はものすげえあるレンズだ。が、最初の1枚がおもいきりはずしている。
2行目が5D2とA09(28-75mm)の組み合わせ。2003年生まれの3万円大口径ベストセラーレンズで、当たり玉とはずれ玉がある。はずれ玉を使うと、CP+の記事のような悲惨な写真しか撮れないことになる。俺は3本目で当たりを引いたから、なかなかの精度だと思っていた。このときは。
3行目が5D2とA001(70-200mm)の組み合わせ。悲惨としか言いようがないのだが、手持ちだから手振れ補正のないバズーカーレンズをぐらぐらさせてAFかけたせいかもしれない。分からない。
4行目(1番下)が実は中古1万円台の600万画素クソカメラ、NIKON D40と、最新レンズSIGMA85mmF1.4のコラボだ。ここにうpしたのは4枚だが、実際には1枚1枚ピントを無限遠、最短の互い違いにまわしてピントの合焦をやり直しながら5枚ずつ、他の絞り値でも撮っている。そして成績・ピント安定性は群を抜いているのだ。もっともこの精度の出るD40を手に入れるまでにはなんども回転売買とレンズ工場送りを繰り返しているんだけども。
 
 
 
さて、ADOBEのLightRoom3を使用しているのだが、作業時はウィンドウサイズに合わせるか、100%等倍表示の切り替えのいずれかを使うようにソフトが設計されている。Adobeはこちらの使いたいように使えるようにはできていない。俺(Adobe)の流儀に合わせろ、である。だから、等倍表示の安定度・精度から言うと、D40のような2012年現在ではかなりの低画素といわれる600万画素カメラを使っているほうが幸せになれて、D800など使えばすぐに、その完璧な3600万画素に見合う写真が撮れている確率の少なさに滅入ってしにたくなるだろんではなかろうか。ここまでやって、さすがにもう高いカメライラネーだろJK 撮っても撮っても等倍でぼんやりした写真を連発するんじゃやってらんないわよ、別にB0サイズにプリントアウトして展示会するわけじゃねーしさ、という気分になるのだが、ここでもう一つ問題は、等倍表示(LightRoomなどで現像する際にどうしても直面せねばならぬピント精度まる分かりサイズ)とは別に、1枚の写真としてはどうなのか。最初の段の8枚は127mmで撮っているが、5D2ではバストアップの構図だ。それをD40のバストアップの構図、2段目の最下段4枚と比較するため、5D2の2110万画素を600万画素までフリーソフトで縮小し、その瞳の比較をするとどうなるか。
 
 
 
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そうすると、むむ、上がD40の等倍、下が5D2の約60%縮小画像だ。下段3枚目など、等倍では完全にピンボケしていた写真などもギリギリ見られるようになってくる。なるほど、これが高画素カメラの躁鬱写真てわけだな・・・画素多すぎで手ブレ厳しいよ、難しいよ、というのはRAW現像するときの気分の話であり、ああまたピンボケかいクソ・・・と思いつつ、縮小してウェブサイズ(なりA4なり)にしてみると、結果的にはD40に追いついていくわけだ。という気がする。露出が少しズレているのは俺のミスだ。あと、ニコンは黄色く写るので、グレースケール化して比較している。
 
 
 
結論として、EOS 5D2 MarkII は本当にピントを合わせるのが難しいカメラだし、それでも最終的な俺の鑑賞サイズ(そう、俺はやることのない休日には一日中鑑賞しているのだ)にすれば、それなりになる、そういうものなんだな、と、それはそういうものだから仕方ないよ、ピントにこだわりたければコントラストAFのミラーレスカメラを使えばいいじゃない、そんなことを考えつつ、EOS 5D MarkIIPanasonic DMC-G2 を抱えてまた海辺の撮影会に向かったのだ。そして、その考えが完全な誤りであることに気づかされ、今はもうD800くれっ!絶対くれっ!になっているんだが・・・その話を書く暇は今はなさそげ。