ストロボ沼メモ。前回のは間違っていたし、今回も間違っているかもしれない。

いろいろとメモ。

D40 + YONGNUO YN-560 のフル発光で、

徐々にシャッタースピードを上げていくとき、仕様から言っても1/500secまでは光のあたる箇所の露出は変わらないはずなんだが、1/400secあたりから少しずつ暗くなりはじめる。1/4000secまできちんとシンクロはするが、このSSではだいぶ暗くなる。電子シャッターを併用するCCD機のシンクロ速度が速いといっても、クリップオンストロボのフル発光時間は1/500sec前後とも言われるから、これより速いシャッタースピードでは暗くなっていくわけだ。今、設定としては、自室内、外光(それなりに)遮断、蛍光灯オフ、ストロボ光のみのISO200、F16、WB蛍光灯だ。

D40 + YONGNUO YN-560 の1/2発光で、

同じ検証をすると、暗くなりはじめるのは1/1600secからである。1/2発光は発光時間も短いのでこうなる。1/1600secよりも速いSSでは、フル発光した場合と露出が同じになる。つまり、このストロボとD40の組み合わせでフル発光が威力を完全に発揮するのは1/400secより遅いとき。1/1600secより早くなると、電池の無駄、というわけだ。

D40 + YONGNUO YN-560 の1/4発光で、

同じ検証をすると、暗くなりはじめるのは1/2500secからである。つまり、1/2500secより早くなると、電池の無駄、1/4出力で十分、というわけだ。

D40 + YONGNUO YN-560 の1/8発光で、

同じ検証をすると、暗くなりはじめるのは1/4000secからである。つまり、1/4000secでは、電池の無駄、1/8出力で十分、というわけだ。ちなみに1/16発光より弱くすると、D40の限界までシャッタースピードをあげても露出は落ちない。いわゆる完全シンクロとなる。

EOS 5D MarkII + 580EXIIのフル発光では、

徐々にシャッタースピードを上げていくとき、もちろん1/200secまでは光のあたる箇所の露出は変わらない。しかし1/250secになると、フォーカルプレーンシャッターの限界を超えるため、FP発光モードに切り替わる。このとき、色温度と露出がガクンと変わる。以後、1/8000secまで露出は漸減する。今、設定としては、自室内、外光(それなりに)遮断、蛍光灯オフ、ストロボ光のみのISO100、F5.6、WB蛍光灯だ。

EOS 5D MarkII + 580EXIIの1/2発光で、

徐々にシャッタースピードを上げていくとき、もちろん1/200secまでは光のあたる箇所の露出は変わらない。しかし1/250secになると、フォーカルプレーンシャッターの限界を超えるため、FP発光モードに切り替わる。このとき、露出がガクンと落ちる。以後、1/8000secまで露出は漸減する。ソフト的にFP切り替えがされているため、フル発光と1/2発光で露出が同じになるということはない。これも想定通りではある。ただ、1/200secの壁は強烈で、そこを境に露出傾向は一気に変わってしまう。

D40で輝度差を埋める

背景が明るい逆光のとき、なるたけストロボ光の届かない背景(空)の露出を下げて、真っ黒の被写体の露出を上げて、ファインダーから自分の目で見ているままの絵を写真にしたい、と思うとき、なるたけシャッタースピードを上げて、ストロボの出力を上げようとする。1/4000secのフル発光の厳しいことは経験的に知っていたからSSを1/2500secあたりにしてフル発光していたのだが、実は1/1600secあたりからフル発光の意味はなくなっているのであった。
シャッタースピードがストロボ光をさえぎらないとき、SSを早めることはそのまま輝度差を埋めることに役立つ。しかし1/1600secに壁があるので、フル発光で1/1250secとか、1/2発光で1/2000secとか(2種類あげたのはチャージ時間の都合だが)で埋まらない輝度差は、もうカメラ側やストロボの設定でどうやっても埋まらない。
限界値
  フル発光→1600sec
  1/2 発光→2500sec
  4/1 発光→3200sec
発光量に対してSSの差は1段未満だから、一番輝度差が埋まるのはフル発光+1250secあたりだろうか。面白いことにフル発光で暗くなり始める1/400secから、1/2発光で暗くなり始める1/1600secまで、光量は1段減なのにシャッタースピードは2段上げられること。その先、1/4発光で暗くなりはじめるのが1/2500secだから、今度は光量1段減なのにシャッタースピードは1段も上げられないということ。このあたりに交差点がある。これでも被写体が暗いとなれば諦めて背景をハイキーに寄せるしかない。D40とYN-560で、これ以上輝度差を埋める方法はない。チャージの問題と組み合わせると、1/2発光の1/1600secに固定して、あとはISO感度で調整するほうが良いかもしれない。さいわいニコン機は初級機のD40から操作性はとても良い。

EOS 5D MarkIIで輝度差を埋める

EOSの場合は高速シャッターでFP発光を使うと、輝度差を埋める限界はD40よりもずっと下がってしまう。1/250secでもうストロボ光が効きにくくなるのだ。瞬間光がSSのあいだにどれだけ入るか、で決まるD40と違い、間欠光をどれだけ取り込むかであり、ある閾値を超えたら発光量を変えても一緒だ、みたいなことはこちらにはない。どの設定でも均等に、しかし1/200secを境に一気に、下がる。
検証の結果、1/250sec f5.6と、1/200sec f11.0が、だいたい同じ露出であることが分かった。
検証の結果、1/500sec f5.6と、1/200sec f16.0が、だいたい同じ露出であることが分かった。
検証の結果、1/1000sec f5.6と、1/200sec f22.0が、だいたい同じ露出であることが分かった。
検証の結果、1/2000sec f5.6と、1/200sec f32.0が、だいたい同じ露出であることが分かった。
検証の結果、この傾向は、1/2発光にしても同じであった。
つまり、FP発光の範囲内では、1段SSが上がると、被写体の露出も1段下がるというわけだ。それは1段絞るのと同じことだ。つまりFP発光をやると決めたら、絞りをいじるのもSSをいじるのも同じということ。輝度差はそれ以上埋まらない。しかし、1/200secから1/250secのたった1/4段SSを上げるだけで、露出は2段下がる。ここの壁が大きい。以降が比例するのだから、輝度差を埋めるという観点でいうと、EOS5DMarkIIでは、FP発光を使わずに絞ったほうが1.75段、有利という結論になる。D40の場合も限界値を超えて漸減するフェーズでは、SS1段で露出1段という感じは変わらないように見える。

結論

D40において、輝度差を埋めるためには、1/400近辺で収まる世界ならばフル発光が一番良く、あとは1/1600の1/2発光が良さげ。CMOSのフォーカルプレーンシャッター機で埋まる1/200secの輝度差をnとすると、1/400secでn+1、1/1600secではn+3−1=n+2あたりまで縮められる。以降は輝度差は埋まらない。
EOS 5D MarkIIでは、輝度差を埋めるためには、1/200secのフル発光が一番良く(n)、ついで1/200secの1/2発光(n−1)が良い。1/4発光で済む輝度差であれば1/250secのFPフル発光でも同等。1/8発光で済む場合は1/500secのFPフル発光と同等。nを上回ることは不可能。ただ、輝度差が強烈すぎない、フレーム内に占める晴天の空の比率が少ない、レフ板の力を借りられる、などの場合は、とくに背景をボカしたい場合、FPのが良い。そうしないと、たぶん1/200secで固定するにはストロボ側のボタン操作か、カメラ側のマニュアル露出を使うことになるから、操作リズムが狂ってしまう。

ではどうするのか。

ナショPことPE-60SGのグリップストロボは35mmISO100のガイドナンバーが【60】という、メンヘル級のすばらしいグリップストロボで、これがあれば光量不足の問題などほとんどなくなる。のだが、こいつはこいつですごく高いしディスコンで入手は困難。ヤフオクの中古でも新品の初級デジイチより高い。だいたいプロが使う機材だし、そのすばらしいGNをFP発光で使うことはできない。
もしも580EXII【GN36】と、YONGNUO YN-560【GN31】の2台を同時にフル発光すれば、GNは47まで伸びる。ナショPは照射角を簡単には変えられないが、クリップオンストロボはそこがオートだったり手動でも簡単に変えられる。105mmの照射であれば、換算のGNは【58x58】+【43x43】=72x72・・・【72】まで伸びる。

底面使用の2灯

スタジオで照明器具をあれこれセッティングすれば、D800Eじゃなくたってカリカリの写真は撮れる。俺は風邪気味で視野角が狭くなり、ストロボのことしか考えられなくなった。いったいどうすれば、【手持ちで】【ナショPを使わずに】【俺しかカメラマンがいないところではなく】【つまり赤外線やラジオスレーブの混線もありうる場所で】複数台のクリップオンストロボを同期させて焚けるのか?
A01
最初に思いついたのはこれだった。
 
 
 
A02
カメラの頭のホットシューにデカいストロボをつけていると縦構図持ちでは一方に荷重がかかり、とても持ちにくい。だから底面の三脚穴に逆ホットシューをとりつけて、それで2灯がシンクロすればGN72の出来上がりである。底のストロボはシンクロコードで焚くしかないのだが、まずネジが飛び出しているタイプのアクセサリシューをGetする。そこにシンクロコードが延びているタイプのホットシューをGetする。そしてそこにストロボをつける。この旧式なシンクロコードという奴が曲者で、安物は接触不良で焚かれないことが多いしすぐに抜けてしまう。だからコードはニコン純正品が良いのだが、シューつき、てことになると、良質のコードつきホットシューがペンタックスの旧品にあり、これを使えば出来上がりだ。
 
 
 
A03
ニコン純正コードや、ペンタックスのコードはネジがついていて、カメラのシンクロターミナルにしっかりとはめることができる。で、頭のストロボはTTL2オートで、底のストロボはそれよりGNの低いものにして連写を妨げぬよう、マニュアルでフル発光し、多すぎたら頭のストロボ光量を補正すれば良い、というあたりまでを夢で見たのだが、本当にセッティングしてしまった。セッティングそのものを遊んでいるので、実践投入する機会があるかどうかは微妙なのだが。
 
 
 

三脚座を利用した2灯

B01
とはいえ底面ストロボはマニュアル発光となり、どうも気に食わない。せっかくキヤノンのフラッシュワークシステムがあるのだがら、全ストロボが自動調光してくれたほうが良い・・・というわけで考えたのがこれ。大光量が必要になる中望遠域、いまのところ自分の手持ち最強レンズであるタムロン70-200mmF2.8には三脚座がついている。これ、使えるんじゃね?
 
 
 
B02
頭につけた580EXIIは、多灯調光のマスターとして機能する。この赤外線を拾えば、スレーブの430EXIIが光る。そしてこのシステムだと、2台合わせて良い調光になるようにキヤノンが勝手にやってくれる。すばらしい、と思ったのだ。しかし、まず問題はこの赤外線シンクロの仕掛けである。
ストロボの多灯シンクロの方法にはいくつかある。
・光学式シンクロ。一番簡単。光を検知すると光る光学式ストロボを用意して、シンクロさせる。ただ、これは誰のストロボの光であっても反応してしまうという絶望的な仕様のため、カメラを持ってストロボを焚く人間が俺しかいない、というシーンでしか使えない。そんなシーンでこんなシステムを持っていたら即座に逮捕である。
・ラジオスレーブ・シンクロ。これは小型送受信機をつないで、つながれたストロボがシンクロするもの。チャネルを変えれば自分のものにだけ反応する、などの方法が可能。これは精度も高いし中国製の機材は高くないので嬉々乱舞しかけたのだが、残念ながら通信に時間がかかるため、1/200secが限度。それ以上早いシャッタースピードが使えなくなる。
・シンクロコード。これは最初の底面ストロボの方式。EOS5DMarkIIにはホットシューとは別にシンクロターミナルがついているので可能。これがない中級以下のカメラだと、シンクロターミナル付ホットシューのような裏技が必要だが、これはストロボ故障につながる気がするのでやりたくない。まぁこいつもシンクロコード経由ではFP発光の指示を送れないので、シャッタースピードは1/200sec以下限定となる。
・赤外線シンクロ。これが今やろうとしているもの。ストロボから赤外線を飛ばして受信側でシンクロする。こちらはラジオ通信とは違ってハイスピード発光も可能である。しかし赤外線は赤外線なので、テレビのリモコン並みに効きが悪い。屋内では良いのだが、屋外ではしっかり向けないと通じない。それで、この赤外線の照射が光の照射角と同じで飛ぶらしいので、本来異なる位置から光を合わせて陰影をつけたりする仕掛けのため、同じ方角からやると光がケラるような位置に2台目のストロボを設置する必要があるのだ。しかも赤い受信部をそちらに向けて。※上の写真で2代目のストロボの位置がヘンテコになっているのはそのためだ。
この方式は、光量がいらないときは1台のストロボのみ、必要になったらサクッともう1台を装着して撮れる、とか思ってのだが、持ってみるととてもとても・・・な感じなのと、あとまだ問題があるのだが・・・
 
 
 

三脚座とトランスミッターを使用した2灯

C01
最終兵器、トランスミッターST-E2を使用したTTL2連動2灯シンクロシステム手持ちバージョン。こんな装置が不要なニコ爺や7Dや5D3組に鼻で笑われシステム。
三脚座にT字のステンレス板を経由して2台のストロボの赤外線受光部を内側に向け、そこへめがけて赤外線だけ飛ばすトランスミッターをホットシューに接続するもの。これを思いついたときは・・・風邪で頭がぐるぐる回って今にも吐きそうな体調だったこともあり、俺は天才じゃなかろうかと思ったのだが・・・しかし重過ぎて持てない。というか、金具がグラグラする・・・
 
 
 
C02
横フレームならばともかく、これを縦にするとヤバい。固定方法を工夫してみよう、ということにならなかった理由はただ一つ。
そもそも580EX2をマスターにしたり、トランスミッターをマスターにした多灯ライティングはすでに書いたとおり、光源を分けることが本来の目的である。ほいで、そのためにマスターにしろスレーブにしろ、デフォルトの照射角が24mmになってしまうのである。これを105mmに直すために押さなければならぬボタンの回数を考えただけでうんざりする。で、そんな苦労をしたところで、実はGNは大して上がらんのだよな。。。
D40のシステムでは通常ストロボ発光よりも+2段の輝度差埋めが可能であることは書いた。D40で580EX2を光らせればさらに1段上がるんだけど、ニコンカメラにキヤノンストロボを無理やりはめようとするとぶっこわれそうなので、YN-560よりも1段光力の強い580EX2を用いたEOS 5D MarkIIの場合、通常ストロボ発光よりも輝度差を埋めることは不可能だからN+1。D40でできることを5D2でやろうとすると、あと1段、埋める方法が欲しい、てことで2灯だけど、フル発光、1/2発光とかいう呼び方で分かるように光力を1段強くするためには580EX2がもう1台必要なのよね。YN-560や430EX2で2灯してもN+1+0.5にしかならないわけだ。その0.5のためにわざわざ2灯するんですか?という話。
 
 
 

チャージスピード

乾電池4本を使う手持ちの3台のストロボを35mm照射角のフル発光で飛ばして次の発光スタンバイランプがつくまでの時間を測る。
・580EX2(乾電池4本)→約2秒
・580EX2(外付け乾電池含め12本) →約1.3秒
・430EX2(乾電池4本)→約1.3秒
・430EX2(外付け乾電池接続不可)
・YN-560(乾電池4本)→約1.3秒
・YN-560(外付け乾電池含め12本)→約0.7秒
という具合だ。やはりGNが高いものは遅い。そしてナショPは2秒かかると聞いた。となると580EX2の2灯はチャージが片方間に合わない悲劇が待ってる。これも2灯作戦に気乗りしない理由ではある。
 
 
 

お役立ちストロボサイトNAVERまとめ

http://speedlights.net/