CP+2013 反省会 その1 〜コンパニオンさん編

CP+LR3
CP+ 2013。コンパニオンさん写真撮影には一種のSHOOTING GAMEの要素があって、第一に露出制御、第二にピント、第三がアングル、そこから先にはもうアタマがまわらない感じがする。屋外の撮影会で撮るのとは比べものにならぬほど難易度は高く、とくにフルサイズのチープカメラ、EOS5DMarkIIの「画質一流、メカ三流」具合がさらにそれを強化する。このような撮影をする機会自体少ないし。それで、あ゛ー俺は未だにカメラ・ストロボの扱いすらできないんだー、写真がどうの、以前だわーという落胆でガックリくる。安定して「写る」写真が撮れるようになって、話はそこからじゃねえのか、と。
写真ブロガーたるもの、たくさん撮っても乗せるのは成功写真だけに絞るべし、が鉄則だろうけども、俺のは日記であるから、いろいろ失敗写真の山を見ながらひとり反省会を開く。
レンズは85mmF1.4、135mmF2.0、50mmF1.4の大三元・・・じゃなくて三単元のS(igmaとCanon)。それにストロボオンとオフに分けて写真を並べて見た。屋外と違ってそれぞれ個別にかなり露出を現像前に調整している。LightRoomでかなりいろいろ変えている。その結果としてのアングルなり露出なりに統一感が出ればいいのだが、これが全くでない。背景の白黒によって5D2の測光も暴れているし、環境光の背景とストロボミックスの被写体の輝度差がバラバラだから、被写体の明度を揃えれば背景の雰囲気がバラバラに、背景の露出を揃えれば被写体の明るさがバラバラになる。さて、どういう仕上げに俺は持って生きたいのか。

EOS 5D MarkII + SIGMA 85mm F1.4 with Flash

CANON_EOS5D2CANON_SIGMA85CANON_EX270
絞り開放でF2.8にしかならないズームレンズが「便利」とはいえない状況で、まずは85mmF1.4の単焦点レンズにストロボを組み合わせた。というのも去年28-75mmF2.8を使ってAFのピントOK率が5%を切りやがったからだ。撮影会と違って1人2枚とか3枚しか撮れない縛り、ピント率は50%を超えないと困るのだ。しかしシグマの単、AFは速いが暗所に弱くガタガタ言い出したらもう無理のサイン。5D2フレーム上部のF5.6ラインセンサーでは合うときとガタガタいって合わないときが半々ぐらいだった。なので、途中から諦めてセンターのF2.8センサーを使った。中央で合わせてそのまま日の丸構図(真ん中に瞳)か、アングル調整とトリミングを合わせるなどをした。しかしトリミングをすれば、背景のBOKEHが薄まってしまうのだから、なるべくは避ける方向で。と言いつつ、中央測距を使うならば測光もマルチ(構図全体の明るさ具合からカメラが判断)ではなく、スポット(中央付近の明るさからカメラが判断)を使ったのだが、これが失敗のもとだったかもしれない。というのも測光を行うのはカメラだけではなく、ストロボ側も測るからだ。ストロボが焚かれるからカメラ側はもっと暗くていいや、などの動作もするようで、勝手なロジックが分からないからマニュアルで、とかやると歩留まりも下がるし・・
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シグマブースから。理想は白飛びしないように、しかし被写体と背景の輝度差を一定に、である。しかし背景が白いか黒いかでカメラの測光は全く変わるし、スポット測光していても被写体の明るさは一定にならなかった。カメラの測光をマニュアルにするとストロボの効きが強くなるケースがほとんどで、測光もマニュアルにすると操作が追いつかない。

と書いてるあたりで、実はこの日、ストロボのモードがTTL-AutoIIのつもりで、実はマニュアル設定だったことに気づく。これではカメラ側のダイヤル調光が効かない。メニューから開いて、調光しないとダメである。オウフ
となると、被写体明度を適正にするために絞りや感度の調整が必要なわけで、SSばかり見ていた俺なんなの?状態である。もうバカの俺はPモード使えよ、と言いたい。

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テカってしまうのは、その、ストロボのモード設定が意図せずマニュアル(1/8発光固定)になっていたことが原因である。俺はBOKEHLICIOUSな写真を単焦点で撮りたいのだから背景の露出はノーマルのままに保ちたい。いや誰だってそうだろう。だからストロボは補助光として影消しのためのごくごくDECENTなレベルでよかったのに・・・
俺はストロボをチカチカやりながら、なんだろう、580や430に比べて270ってやたら調光はずしやがる。なんなんのこれ???と思っていたのだ。

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左の写真のコンパニオンさんの露出がそこそこ適正になっているのは、現像レタッチもあるけども、俺が「暴れる」(と俺が思っていた)ストロボにあわせた感じだからというか、つまりSSが1/1000である。ストロボはハイスピードシンクロしている。1/8発光のありえないまぶしさでも、FP発光ならば効果は薄まる。言うこと聞かない(と俺が思っていた)ストロボに合わせるために高感度+高速度の謎写真を撮っているため背景が暗い。真ん中は1/320secだ。背景が白いから自動測光が引っ張られている。だから被写体が暗い。1/8固定ストロボのFP化で2段落ち、1/32発光程度だろうか。カメラ側の測光がこの時点ではマルチだったので、そうなる。スポットならマシだったのに。

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左2枚の頃にはモードをスポット測光に変えている。が、あいかわらず高感度+高速度の謎写真である。5D2だからISO640ぐらいは軽くこなすが、ストロボを制御できていない俺が「なぜかこれだとまともに撮れてる」と思ったのでそのままパチパチやっていた。つまり、1/8発光に固定化されたストロボ光をFP化することで適正にしていたのだ。シャッタースピードがめちゃくちゃ速いのでFP発光の効果が薄れている。そして高感度で背景の明るさを保っていたわけだ。orzorzorz

 
 
 

EOS 5D MarkII + SIGMA 85mm F1.4 without Flash

ストロボの設定ミスに現場で気づけなかった俺は、ストロボを焚かずにたくさん撮った。そして、どうしても顔に影が落ちたり暗くなるのを現像の「補助光効果」で補っていった。こちらは不自然な仕上がりにはならないし、設定値も把握してやってるから、まぁまぁか。SIGMAの85mmは結局、暗所における端のAFラインセンサーはいまいちで、中央をメインに使った。
CANON_EOS5D2CANON_SIGMA85
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85mm単で中央のような、全身を入れた構図で撮るのはなかなか厳しい現場。この1枚を撮るあいだにも、俺の前にすぐオッサンが現れてしまう。
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EOS 5D MarkII + CANON EF135mm F2L with Flash

CANON_EOS5D2CANON_EF135CANON_EX270
CP+135WF_01CP+135WF_02
EF135mmにおいても、ストロボ設定ミスで失敗写真の連続だった。ただ、この、俺が唯一持つキヤノン純正レンズは、AF、シャープネス、実に素晴らしい。本当に素晴らしい。写りすぎるので、逆に現像レタッチでボカす必要があったり。
 
 
 

EOS 5D MarkII + CANON EF135mm F2L without Flash

CANON_EOS5D2CANON_EF135
CP+2013は、家のすぐ近くで開催されていることもあり、都合3回出かけている。途中で飯食いに帰宅したりできるレベルであり。それで、2度目の出撃で使用した135mmでは、(メインイベントを除き)ほとんどフラッシュを使わずに撮った。
CP+135NF_01CP+135NF_02CP+135NF_03
CP+135NF_04CP+135NF_05CP+135NF_06
 
 
 

EOS 5D MarkII + SIGMA 50mm F1.4 with Flash

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3度目の出撃では、レンズを50mmに変えた。ところが、このシグマの50mmが手持ちで一番AFに難のあるレンズである。以前ニコンマウントではカメラ側をレンズに合うように銀座で調整してしまったのだが、EOSではカメラに調整機能があるから自分でやったりして、その記事は以前に中途半端に書いたけれども、どうやら光の条件による差異があり、また被写体距離によっても一定ではないから、調整は諦めてデフォルト使用をしていた。それで85mmや135mmはまぁ良いか、ということになったのだが、50mmだけはダメである。

その後、ブログを書きながらさまざまの条件で調整すると、やはり50mmに関しては前ピンがひどい傾向が(新聞紙を90枚ぐらい撮って)把握できたので、今は+10補正とした。

CP+50WF_01CP+50WF_02CP+50WF_03
あいかわらず、ストロボ光が強すぎる。カメラのモードはフルマニュアル。FP発光で調整、というのは結果論であり、このときはSSを1/200に固定していたので、結果的に絞っている。左から、F2、F2.5、F2.8。ストロボ光で被写体が浮き上がりすぎている。F2.8まで絞るんだったら、単焦点なんか使う必要ねえよ、と俺は言いたい。
 
 
 

EOS 5D MarkII + SIGMA 50mm F1.4 without Flash

CANON_EOS5D2CANON_SIGMA50
50mm、無念のストロボなし。顔は暗いがレタッチでどうにか。明るさを得るために開放F1.4撮りが多い。という以前に、AF調整前のレンズだから、全写真ピンボケである。本当に腹が立つ。。。まぁ、かなり派手なピンボケ写真もWEBで見る分にはたいして問題ない、ということでもあり、むしろ背景のボケ具合を楽しむことにするか。
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SONY α55 + TAMRON 17-50mm F2.8 without Flash

SONY_α55SONY_TAMRON1750
皮肉なことに、というか、当たり前、というべきか、一番歩留まりが良かったのは、SONYα55にTAMRON17-50mmをくっつけた格安機で撮った写真だった。APS-CセンサーにF2.8の被写界深度があるからピンをはずすことはないし、ズームだからアングルも自由が効く。そしてバリアングル液晶、高速10連写/秒。
基本的にコンパニオンさん撮りに背景のボケにくいこのカメラは使っていないのだが、どうしても人だかり、オッサンの山の後ろから撮るしかないようなときに、片手を天高く掲げて、バリアングル液晶を見ながら撮る、という場合か、逆に人の山が全員棒立ちの場合に、彼らの前に入り込んで座った位置から広角で撮る、そういう場合にだけ使用した。縦撮りでもバリアングルが効く、てことでOM-Dを避けた理由の一つでもある。高感度に強いソニーの16Mセンサーではあるが、TLMで30%のロスがあり、ISO1600付近は厳しい。
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右手でカメラ、左手で手を振って目線をもらうオッサンの俺。室町時代。他の人のコンパクトカメラが写りこんでいるけど、ああいう両手が届くような撮り方ではない。片手で思いっきり高く伸ばして、液晶を下向きに曲げて、下も背伸びして、ズームレンズテレ端で、ぷるぷるしながら、俺は液晶を見上げるように、レンズはモデルを見下ろすように、撮っている。その姿勢の維持可能時間は数秒だから、派手に手を振って、とっとと目線をもらう。脚立もアルミ製カメラバッグ足台も持っていない俺は産経写真部にはなれない。
CP+A75NF_05CP+A75NF_06CP+A75NF_01
左2枚とも、下のほうはオッサンの人だかりのアタマがうっすら写っており、これはトリミングでカットした。真ん中はストロボを使っているみたいに見えるが、誰か他の人が使ったストロボ光がシンクロしたもの。ソニーセンサーの圧倒的なダイナミックレンジのおかげで白飛びしていなかったので、レタッチ現像で思い切り露出を下げたら見れる写真になった。ソニーセンサーすごい。
CP+A36NF_01CP+A75NF_07
17-50mmのズーム=フルサイズ換算で26mm〜75mmということだけども、左が24mm=36mm相当。それ以外はほとんど50mm=75mm換算で撮っていた。この目的であれば17-50よりも28-75のほうが適しているような気もするが、広角でスナップも撮っている、というかそちらがメイン用途の機材なので、まぁ。
 
ということで、散々な結果だったのだけれども、メインイベントに関しては、しまむらさんの衣装が黒だったことが幸いし、1/8発光固定でも、そこそこ、撮れた気はする。