センサーの清掃と、写真に関する7つの思念をつらつら

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先日に書いたブログの写真におけるセンサーの汚れをゼブ先生に指摘されたので清掃へ。ニコンだと銀座なり新宿なりに行く必要がありそうなところ、さすがにキヤノンは横浜にもあるようだ。すばらしい。ただ、自分で気づいていたらソフトで消せば済む場合もあり、そこまで仔細に画質を競うほどの機材を(というか、手持ちで最強の装備を)使用したわけでもないので、半ばお散歩のきっかけぐらいの気分ではある。思うに、写真趣味行動のアウトプットよりもプロセッスをカイゼンするほうが明瞭で簡単だし、プロセッスをカイゼンしたところでアウトプットの価値が少しも上がりやしないことに悩まなくて良いのが趣味のゆえんというところ。まぁ、このアウトプットとプロセッスに分けて現実を直視することのつらさはさほど大きくなく、むしろ。
 
 
 
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自転車売り場など眺めつつ、やはり展示だよなぁと。見せ方だよなぁと、そんなことをアイホンからツイートしようとしたりやめたり。海風の涼しい横浜の午後、この季節が最高に好きだし一番動けるということ、この季節でなければ動くのがもうちょいつらいということ、つまりこの季節のうちにあれやこれやと焦燥する感覚、夏前の焦燥感、これ、昔の、若い頃の夏前の焦燥感覚と違うのだよなと思う。プロセッスのカイゼンが簡単というときにそれはあくまで簡単な部分があるという話であって、カイゼンの難しい部分もあり、アウトプットの価値(俺にとっての価値しかり)を向上させるキモはその、難しい部分にあるのだからつらい。センサーの清掃は今ならタダだ。散歩のついでにキヤノンへ行って頼めばいい。イージエスト。しかしたとえば、身なりのいい服装で出歩くこと、とか、写真家のセンスはつまり食事のセンスだ、とか、あなたたちが学ばなければならないのはカメラの知識ではなく、人と協業してなにかを果たすであるとか同棲するであるとか、恋をセヨとか、結婚式の二次会で同窓生と交わすべき話題のレパートリィであるとか、常識がないことをオレはゲージツカだからいいんだ、ではなく常識があってなおそこを敢えてはずしていくこととの差異が分かっていない姿はみっともないであるとか、天気とカメラと自転車の話しかできないであるとか、一次情報をぜんぜん発信できないであるとか、そういう直視したところでどうにもならないから直視できないような、俺が全く直視できないような、つまり完全に忘却のゴミ箱に自動的に仕分けられるように仕組まれてしまった行動様式そのものがアウトプットの改善可能性を阻んでいますよという声がアーアー聞こえないであるとか、そのあたり、地獄だし、ぜんぜん簡単でないと思う。
 
 
 
CENSOR-03
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受付に人はいない。ロビーに人はいない。ただ広いスペースが少しの高級感をかもしており、こういうもののせいでLレンズは高いんだが、そうなるにはそうなる理由があって、つまり費用を払っても高級感が欲しい人々に最適化されている、お前はここに来るのが似つかわしくない、ブログ読んだけどレンズについて云々してるわりには食事が随分みすぼらしいのだけどそのメシマズブロガーっぷり、逆ギャップ、恥ずかしくないのですかという声なき声、声。"The function of the artist is to make people like life better than they have before."と、カート・ヴォ(ry)さんが言う。この人の影響を受けた何人かも同じことを言う。あずまんも村上t(ry)の例を引きながら、同じことを言った。つまり、そういうことなんですよ、それなのにあなたがたの機能はなんですか?と。目的のために人を動因することができないで、どうするのですかと。本当はこの次の記事に書こうかと思ったのだが、つまりこの背景に吉木りさ広島東洋カープのユニフォーム、であるべきなのだ。この背景に佐々木希+日本IBMの社員証、であるべきなのだ。
 
 
 
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どうやら場違いなところへ来たような気がしている。チリ一つ落ちていない。ニコン銀座のセンターはこんなに静かに、ピカピカしていない。もう少し淀橋的な、カメコの香りが漂うのにここは違う。センサーが汚れたときにたまに来るぶんにはこれぐらい綺麗なところのほうが良いかもしれない。毎日いたら気を病みそうではあるのだが。生まれて初めて先進国に来た未開国の旅行者の気持ちでパシャパシャと写真を撮る。リコーのカメラでパシャパシャ撮る。キヤノンのカメラを取り出したら逮捕されそうな気がしたので、リコーの小さいカメラで撮る。どうしても白いカメラという機能が必要だと俺は感じる。白いカメラでなければ撮れない世界がある気がしている。
 
 
 
CENSOR-05
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公園にも海辺にも廃墟にも南の島にも原宿にも飽いた。こういう場所で、なにか被写体のある写真を撮りたいと思う。被写体がなにであるか、誰であるかはともあれ、被写体が必要だと思う。なにか「この場所に属していない被写体」があれば写真が変わるのだが、なにを撮ればいいだろうか。自分が写り込むことが一番手軽ではあるが、それもまた凡庸だと感じれば、なにかモデルを。なにでも良い、長辺が画面の1/2ぐらいを占める大きさの被写体が欲しいと思う。こんなピカピカの男子便所に、なにか被写体を置きたいのだ。もちろん石原さとみでもよい。
 
 
 
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人は少ないキヤノンのオフィスなのに用をたしに来る人が絶えず便器の写真を撮りそびれた。しかしこうして手を洗う自分の姿の背景がみなとみらいの高層建築である、というような男子便所をデザインするのもまた、キヤノン脳のなせるわざなのだろうか。ふと、このリコーのカメラのレンズにはC-PLのとりつけもできるということに気づく。宙玉レンズを持ってくればよかったと思う。
 
 
 
CENSOR-07
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センサーの清掃には1時間30分かかると言われる。保証書を見せようとしたら、はい、じゃいちおう拝見します、という感じだった。公式には、センサー清掃も保証期間中だけ無料とのことで、ニコンよりもサービスが良い。1時間30分後に受け取りに来ると、センサーは掃除できましたがファインダーに小さなゴミがあり、これは取りきれませんでした、と言われる。期間内であれば、カメラを預けてもらえれば、工場へ送ってそれを除去することが無料でできると言われる。しかし俺はカメラを受け取って、すぐに撮りに出かけるつもりだったので、ひとまず受け取って、センターを後にした。思い切り絞って、F9で、F11で、F16で、撮りたい用事があったわけで。