カメラ派

自分は自転車が好きなのか、それとも旅が好きなのか、というと(どちらも好きではないという逃げを抜きにすると)自転車のほうだろうなと思う。旅にも自転車にも、計画してニヤニヤする作用はあるのだが、自転車のほうが盛り上がる感じはする。旅の場合は、とくに自分においては(旅って、もちろん俺は皮膚との兼ね合いがあって今までもこれからも誰かと一緒に予め日にちを決めてどこかへ出かけるということはまずできないのだから一人旅のことなんだが)自転車の走路を計画するときのほうが楽しい感じがまだ残っている。ヨーロッパを自転車で走る計画は11年ぐらい前から計画してうまく立たず、2年前くらいに計画成立未満のまま出かけようとしてパスポートを忘れ、結局皮膚状態も悪化期に入ってしまい、ただひたすらホテルで悶々と過ごすようなハメになった挙句ニコニコ動画にあげたら全力でdisられはてブでもdisられありむーさんにフォローしてもらい、ほんともう嫌だという感じだった。
自分がカメラが好きなのか、それとも写真が好きなのか、というと、これはもう割とはっきりと答えが出ている。カメラだ。旅よりも自転車が好きなのと理由は同じで、いや正確にはストロボが好きなのかもしれない、ストロボが好きで、カメラが好き、そしてレンズか。レンズはスペックと築年数でしか見てないが、ともあれ、どれが一番ニヤニヤできるかというと、それはもうカメラなんだろう。ストロボなわけだ。プラス自転車である。俺はつねにどういうタイプの自転車のどのフレームにどのカメラをどうやって装着できるか、どうすればレリーズを切れるか、そのための最適にレンズはシグマの24mmなのか、魚眼なのか、そんなことばかり考えて2週間とか4ヶ月が過ぎてしまう。それでも実際の装着とか、シャッターボタンを押す仕組みを工作するのは大変なので、想像するだけに終わり、写真にはならない。想像が楽しいわけだ。とかなんとか、そんなブログを書きかけていたのだが、やがて東北の様子をガイジンさんの撮った写真とかそれ以外の写真などを見ていて、ああすげえなぁと思うようになった。宮嶋カメラマンの写真集は買ったけどぜんぜんピンとこなかったのだし。
つまりカメラが好きであり、ガイジンさんの一流カメラマンの撮った写真が好きなのだろうと思う。日本人で好きな写真家とかはよく分からない。人が褒めている写真とかを見てもあまりピンとこない(とくにアートっぽいもの?はピンとこないというか理由なき私怨のようなものすら持っている)ので、ピンとくるのだけ考えると、戦争の写真と、スポーツの写真、それから旅の写真だろうか、ともあれ人の写っている写真だ。人が写っていて、なにを考えているのか想像に難くないようなシーンか。俺が撮ってるようなポートレート写真とは対極にあるものだ。あれはモデルが実際にはなにを考えているのか全く分からないのでダメだ。以前に俺をリムーブした自転車カメラマンが言っていたけども、ポートレートならば本当は、モデルよりも撮っているカメラマンを撮ったほうが面白いだろう。なにを考えているのか、俺には分かりやすい気がするからだ。そこにモデルさんも入り、しかも綺麗に撮れていればなお良いだろう。ただ、そのような写真は、俺みたいなうすのろがただ金を積んだだけでは撮れない。それは佐々木希を撮るのと同じくらいに難しく、だからこそ遠い夢、実現しなかった夢として、過去形として、俺はそれを夢見るほうが楽しいのだ。それ以外の俺の人生のあらゆることと比較して。相対的に。その夢を見るためにカメラが必要である。
Three Weeks in Egypt - The Atlantic
Japan Earthquake: Aftermath - The Atlantic
Japan Earthquake: The Struggle to Recover - The Atlantic
Women's World Cup 2011 - The Atlantic
2011 Pan American Games - The Atlantic
Bangkok Underwater - The Atlantic
Worst Flooding in Decades Swamps Thailand - The Atlantic
Deadly New Clashes in Egypt's Tahrir Square - The Atlantic
ブクマで流れてきたのを並べただけで、サイトを漁ればもっといろいろのすごい写真がたくさんあるのだろうと思う。少し不思議なのは、しかしそれを自分で漁ろうという気にならないことだ。このような写真集を自ら買おうという動機もあまりない。すごい写真だと思う一方で、そこに添えられた文章は英語だから俺にはさらっと読めない。写真があるので英語を読まなくていいという気になる。でも日本語だったら。美しい日本語だったら、と、思うと、写真の無力さがあり、文章の無力さがあり。そんなことよりカメラやレンズのことを、価格を、一覧を、見ていたほうが楽しいという現実をインターネットが俺に教えてくれ