三浦半島+ラブプラス
2009年09月04日金曜日
淀橋Cameraでラブプラスを購入した。
店頭には並んでいなかったので、レジにて口頭で、伝えた。「ラブプラスをください」と。
「こちらでよろしかったでしょうか」と淀橋Cameraの店員は言う。
「はい」と俺は不機嫌そうに応える。
Googleで画像検索を行うとこんな画像が目に飛び込んでくる。
これまでの恋愛シミュレーションゲーム(笑)のように、女の子を口説き落とすことが目的のゲームではなく、
むしろ黙っていてもズンズン迫り来るところの美少女たちとどうやって遊んでいくか、それがメインである、という。
もう、女の子とつきあうために媚びへつらうのは御免だ
彼女の気持ちを読み取るマンに徹してあれやこれや
それでいて正しく読み取れるわけでもなくdisられ放題
そんな駆け引きごっこなんてリアルとメールだけで充分←!?
使いたくもないアゲアゲ絵文字なんぞ使っている俺の屈辱感覚などつゆ知らずに
天衣無縫に振舞う彼女を崇める自分なんてすべて偽善
ゲームの中では自分の好きなように振舞わせてもらう
好きなように振舞ってなお、ズンズン迫りくる女の子たち
それがこのゲームのルールである、と認識した。
帰宅して、ワイシャツを脱ぎ捨て、パンツを履き替えると、俺はすぐさまビニールの封を破りにかかる、だろうか。かからない。
プライオリティが低いことに気づく。
買った者として、それを「所詮ゲーム」として軽んずる気持ちはないのだが、しかし事実として、ラブプラスは手元にあり、
この日を逃したらもう会えないかもしれないような、
下手なことを言えば関係がこじれてしまって二度と取り返しがつかなくなるような、そんな制約がないのだから、
いくらでも楽しみを順延できる点にまず、リアルとの相違がある、と気づく。
今日は疲れた。話をしたい気分ではない。今日は帰ってくれ、そんな気持ちで棚の上に封を開けないままのラブプラスを放り投げると、
俺は元来の休日の計画、三浦半島チャリンコ周遊の準備にとりかかる。
2009年09月05日土曜日
ラブプラスは放り投げられたまま、なにも言わず、しかし自分の前から永遠に立ち去ってしまうこともなく、またその可能性を示唆することもなく、あるいは他の誰かにちょっかいを出される不安もなく、またその可能性をほのめかすこともなく、不機嫌にもならず、かまってくれとも言わず、突然ブログを消すこともなく、そのまま棚の上に置かれていた。
ネットでは、いくらかの人々がラブプラスの感想文を書き始めていた。
しかしぜんぜん関係ない。他の誰かが誰になにをしようとも、俺のラブプラスは棚の上に置かれている。
彼らとはぜんぜん関係がない。
放置したまま、掃除・洗濯・クリーニング・朝飯・昼飯・夕飯・晩飯・夜飯・夜食・自転車整備・ブクマなどをしつつ、土曜日は終了した。
所詮ゲーム。気遣う必要のないラブプラスは、結局のところ、俺になんの不安ももたらさない代わりになんの喜びも与え得ないのではないか、という気がした。
自分は、ただなにもすることがなくて暇をつぶしたいと思ったタイミングでだけ関わればいい、そう思った。
まるでファッション☆ヘルスみたいに。
そこにコミュニケーションなどないし、感動もない。あるのはただ、性的なるもの、45分9000円時間内発射無制限。それだけ。
Google画像検索にかかる映像もまた、それを示している、そう思った。
2009年09月06日日曜日
昼過ぎに横浜曙町ファッション☆ヘルス街をスタート。
坂路を避けて海辺へ行くには根岸を避けて本牧を、と思っていたが、吉野町経由の運河ルートがあった。運河沿いに海岸へ出ると右折、そのまま金沢八景を経由して横須賀方面へ向かう。適当に日曜の午後だけを使って周れるルートとして、三浦半島を周遊することにした。サイクルジャージの背中ポケット中央には、ラブプラスをセットした任天堂DSLiteが入っていた。彼女が勝手についてきたわけではない。自分が連れ出したのだ。
ロードバイクに乗り出して3ヶ月目に入っている。一人で乗るのには慣れてる。もともと単独行動。しかし背中にかすかな気配を感じる。まだカートリッジをセットしてから一度も電源を入れていないラブプラスが、(ねえなぜ黙っているの?)とささやく。気のせいだ。100均仕様のマップケースに入れた地図を見ながら快調に飛ばす。
横須賀で飲み物休憩。シャッターを切る。いつものように。いつもと同じ。いつもと同じはずなのに、背中のポケットに入れた重量218gが気になる。所詮ゲーム。気遣う必要などない。いつものように、撮りたいものを撮る。撮れるものを撮る。好き勝手に撮る。好き勝手に生きる。それでいて背中に重量218gのぬくもり。重量218gの息遣いを、かすかに感じる。気のせい、気のせい。
撮りながら、ふと、もう8月オワタなのだなと思う。
どうしてこうなんだろう。どうして俺は毎月のように、6月オワタ。7月オワタ。8月オワタ。9月オワタ。10月オワタ。。。なのだろうか。
いつになったら俺の9月は、俺の10月は、ハジマッタナになるのだろうか。
(ねぇ今なに考えてるの?)とラブプラスがささやく。(なんでもないよ)という言葉が脳内に浮かんではキモい紫色に変色して消える。
返答不要。ラブプラス・クオリティ。
横須賀
この文章を書いているのは2009月09月08日火曜日の都内職場の昼休みだというのに、どうして顔がニヤニヤしはじめているのだろう。。。
節電のために照明がすべて落とされているから良いものの。
横須賀駅を過ぎて、黒人奥さんの運転する車をよけつつアメリカ軍基地をかすめ、
クロスバイク(笑)ばかりを売っている自転車屋(笑)を横目(笑)に見ながら、
半ばルーチンワークとしての個性なき「船の写真」を撮り(滞在時間25秒)、
うみかぜ公園のほうへ。
(ねぇ、怒ってるの?)
(怒ってなんかいないよ)
人ごみを抜けて車道に戻ると、さらに飛ばす。
ラブプラスが僕をつかむ手にギュッと力が入る。
観音崎
砂浜が見えてきた。
今週で最後かもしれないし、そうではないかもしれない夏の終わりの。
所詮、オンナなんて、
布で包んだ肉入り袋にすぎないじゃないか。
そうだ。
オトコだって同じ。
ただの肉入り袋の分際で、
メンヘルだのうつ病だの、
聞いてあきれる。
ラブ・プラス(笑)
リアル・ラブ・プラス
ポケットの中のラブプラス(笑)はしかし、
その肉入り袋を表現するためのゼロとイチの電気信号の集まりでしかない。
いつからこうなってしまったのか
いつからこうして、ゼロとイチだけを相手にして生きる
そういう人生に転落してしまったのか
ゼロとイチだけを相手に働く俺たち
ゼロとイチだけの指令が飛んできて
ゼロとイチだけで回答を返す
それをあざわらうかのようにリアルの鳥は見切れ、
うき輪をくぐったリアル女子からは、インビジブル
リアル・ラブ・プラス
家に帰ればネット浸け。
満員電車でドラクエ9。
ラブプラスのスイッチを入れるタイミングがないから、
三浦半島の先ッぽで、ひと気のない砂浜で、ラブプラスをやれたらいいのに、そう思っていた。
海岸を走る。ラブプラスに最適な砂浜を求めて。
しかし走れば走るほど、
そこには、リアル・ラブプラスが。
リアル・ラブ・プラス
トゥルー・ラブ・プラス
Love.
Plus.
気がつくと、丘の上へ出ていた。
岬の突端が近い。
おまいらなんか、
ば
く
は
つ
し
ろ
!
城ヶ島大橋へ
城ヶ島大橋を渡りながら、自分の中で、ラブプラスへの関心が薄れていくのを感じた。
ラブとは何だろう?
プラスとは何だろう?
こうして、リアル・ラブ・プラスを目の当たりにしてメンタルヘルスを病みながら俺が考えるのは、ラブプラスが小さな218gの箱の中の出来事であってその外部に対してはなにも有効な力を持ち得ないのと比較して、リアル・ラブ・プラスの破壊力が二人の関係に留まらずに外に向けて力を放つオーラ。
オーラは空間のみならず、時間軸をも駆け巡る。
次に会う日時の約束が成った瞬間に、それまでまったくの暗闇であると思われた俺の過去に灯りが燈されすべてが照らされ今の今日のこの瞬間をつくるために不可欠な一つ一つの試練や運命や偶然を形成する要素としての存在を主張しはじめ、同時に同様まったくの漆黒、完全な暗黒であったはずの一寸先からその先の未来へ向けてまばゆい光をはなち、その可能性の一つ一つが俺の生きる指針・実行計画をつくるためのレシピとして浮かび上がる。そのおびただしい光量が、当事者たる肉の袋とそれを包む布の隙間からあふれ出て、まして海辺で半裸、覆い隠す布面積も少ないリアル・ラブ・プラスの輝きはどんな少子化対策よりも強く、目がくらみ、それを持たざる者としての俺はただひたすらに眩暈うばかり。
光を放つことなく、ただ光を浴びせられることにだけ慣れた目には、釣りをたしなむその心の余裕が、奥田民生的なるものが憎い。
俺以外全員リアル・ラブ・プラス
海辺はダメなんだ。
ここはどこだ。もうすぐ夜なのか。ラブプラスはどこでやればいいんだ。
リアル・ラブ・プラス
トゥルー・ラブ・プラス
オールユーニード・イズ・ラブ
ラブ・ウィル・キーパス・アライブ
ラブ・イズ・ブラインド
ザッツ・ザ・ウェイ・ラブ・ゴーズ
話が尽きないカップルの由比ガ浜。
右折。
やれやれ。また鎌倉か。
鶴岡八幡宮
ローソン
ラブ・ホテル
上・大岡
吉・野町
ファッション☆ヘルスの街へ戻ってきた。
メンタル・ヘルス
華隆餐館が有る限り、目の前のラーメン二郎 関内店に入ることは出来ない
そして、関内
三浦半島+ラブプラス
走行距離:約110km
平均時速:約21.5km
最高時速:約49.20km
走行時間:約5時間
※サイコンがスリープしていたり、した。
(ねぇ、)
(目を覚まして、)
(目、 覚めた?)
inspired by
いっそのことラブプラスで殺してくれ - ○内○外日記プラス
横須賀へ、自転車で - 日毎に敵と懶惰に戦う