俺、ちょっと雲辺寺行ってくる(非モテ自転車お遍路さん8)

  1. 700×23cロードバイクで四国八十八霊場・非モテお遍路さん野宿の旅へ - Blue-Periodさんの日記 (横浜 → 4番・大日寺
  2. 巡礼ヒルクライムの洗礼(非モテ自転車お遍路さん2) - Blue-Periodさんの日記 (5番・地蔵寺 → 12番・焼山寺
  3. 倉科カナに会いに行く(非モテ自転車お遍路さん3) - Blue-Periodさんの日記 (13番・大日寺 → 25番・津照寺
  4. いつまでも、あると思うな、親と歩道(非モテ自転車お遍路さん4) - Blue-Periodさんの日記 (26番・金剛頂寺 → 37番・岩本寺
  5. もう2度と会うことはないだろうけど(非モテ自転車お遍路さん5) - Blue-Periodさんの日記 (38番・金剛福寺 → 43番・明石寺
  6. さようなら、四国(非モテ自転車お遍路さん6) - Blue-Periodさんの日記 (44番・大寶寺 → 55番・南光坊
  7. しまなみ海道で愛を叫ぶ(非モテ自転車お遍路さん7) - Blue-Periodさんの日記 (56番・泰山寺 → 64番・前神寺
  8. いまココ

Day 17

20091211t01
お遍路の旅は、自宅から有明までの都内走行日を含めると、17日目となった。
誰でも多かれ少なかれそうかも知れないが、旅は病との闘いでもあって。自分はアトピー性皮膚炎、もしくは掌蹠膿疱症と診断されている。私の手のひらの皮膚は、荒れだすとハンドルを握れなくなってしまう。だから毎日薬を飲んでいるのだけど、それも残り2日分となってしまった。副作用の出る人があるという事情と、副作用に苦しむ人やアトピービジネスを営む人が副作用の恐ろしさを執拗に一般化して喧伝するものだから、自分で調整すると言っても医者が多くを出してくれない。出してくれないからといって、飲む量が減るわけではないのだが。つまりはこまめに通院すれば処方されるのだから。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、皮膚病の一つ。手掌・足底に無菌性の膿疱が反復して出現する。基本的に慢性難治性の疾患である。

  • 手掌・足底に多数の膿疱が両側に急に出現し、しばらくするとガサガサになる。こういった経過が寛解、増悪を繰り返す。
  • 約10%に胸肋鎖骨関節、脊椎に関節炎を併発する。
  • 特に胸肋鎖骨骨化症を合併することが多く、その場合は、上胸部の疼痛や運動制限が見られる。

原因は不明であるが、溶連菌やスーパー抗原に対する免疫応答に異常があるという報告がある。不思議なことに膿疱が無菌性であり局所感染ではないと考えられている。そのようなことから慢性扁桃炎(扁桃病巣感染症)・虫歯・歯肉炎などの病巣感染や、歯科用金属やアクセサリーなどによる金属アレルギーの関連性があるとされる。
掌蹠膿疱症 - Wikipedia

それで、この病気は状態の良いときは普通の皮膚であってそれが何ヶ月も続くし、悪化しはじめると手のひらを広げることもできないほどになって痛み、それが何週間か続く。この繰り返しが自分の場合、6歳の頃から、36歳の今までずっと続いてきている。「寛解・増悪」のタイミングはぜんぜん計れない。ある日突然やってくる。そのせいで、自分は長い旅をほとんど棒に振ってしまったこともあるし(去年の春はドイツを旅行しているが、それがまさにそれ。なんにも書くことなんかない)、うまくいったこともある。今回のお遍路は、なかなかうまくいっているほうだ。ただし、これは自分が「予約をしない旅」にこだわることで実現できている事情もある。会社員をしていて、4日も5日も前から、いやいや、2週間も3週間も前から、この日からこの日まで旅行に行く、なんて計画を立てると、失敗する可能性がグッと高まるわけだ。
 
20091211t02
宿泊したホテルはとても清潔で、受付してくれたおねいさんもとても感じが良かった。
けれども、野宿を前提にした旅であるはずなのに、とうとう、松山、尾道今治、そして四国中央市伊予三島と、4連続のホテル泊になってしまった。中村を合わせて宿に5泊。高知のネットカフェに1泊。東京→徳島のフェリーが1泊。テントで10泊。どうせ泊まるならば善根宿とか、お寺の宿坊とか、そういうほうが面白いだろうに、しかし前提が野宿であるから、宿情報の手持ちがない。そしてネットカフェを使いたくても身分証明証がない。
 
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クリスマスまではあと2週間。26歳で一人暮らしを始めてから10年連続一人の、クリスマスは、もうまもなくだ。
 
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今日の目標は、昨日登れなかった65番・三角寺からスタートして、行けるところまで。明日中には高松市街に入りたいので、少しでも先へ。
 
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朝イチからのヒルクライムは久しぶりだ。だいたい朝イチは気持ちよく走れるのだが、
 
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しかし、ここは最初から傾斜がキツい。もう無理。押して歩く。「快速へんろ」によると、後半は楽らしい。
 
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案内板を見る。車は右折、徒歩は直進。自転車は?
 
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いつもなら車の道を進むわけだけど、直進方向も舗装されてるようだし・・・徒歩の道を行ってみるか。。。まぁ、押して歩いてるから徒歩だよな。
 
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んー、行けるんじゃないかな。。。
 
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あー。路面が怪しくなってきた。昨晩も雨降ってたから、危険かも。。。
 
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やがて傾斜がどんどんキツくなり、足場も悪い。マズいかも。。。でも、ここからターンして引き返すのはもっと怖いし。。。
 
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やべー。
葉っぱこわい。石もこわい。傾斜30%越え? つるっとすべったらオワリだ。。。
(つか、この写真撮ってる俺の体勢がひどい)
 
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ふう、舗装路に出た。はじめから車の道を行けば良かった。。。
 
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さらに坂。
その先の林道は傾斜が緩くなり、快適に走った。
 
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65番・三角寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
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境内を歩いていると雨が降り始めた。
 
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階段下りると、車遍路のおっさんに声をかけられ、いつものように少し立ち話。
──自転車すごいねー、まっ次が大変だよね
──いや、天気も悪いし、次は、ロープウェイ使おうかなと
──えー、そりゃ御利益ないぞwww
(つかてめー車じゃねえか、と思いかけるのだが、でも車遍路の人もバス遍路の人も、昔は徒歩や自転車で回ったのかもしれないしな)
 
なお、「次」というのは、八十八箇所中で最高標高を誇る、66番・雲辺寺(うんぺんじ)のことだ。
 
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三角寺から山を一気に降りて、県道へ。本降りになってきた。
 
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コンビニへ
 
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朝ごはん。
 
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ぷはー
 
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雨がやまないかなと見ているのだかその気配はなく
 
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自転車もびっちょびちょや。
 
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県道ながら、路肩は狭く、車の水しぶき攻撃でストレスも溜まる。
 
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おお、ついに眞鍋かをりの故郷・愛媛県も終わりか。香川県へ突入。
 
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トラックの水しぶきが一番キツい。いや、対向車いるから仕方ないんだと思うよ。でも、教習場の試験ならアウトだぜ?
 
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さて。香川の海沿いを走り始めてまもなく、自転車がギュウウウッと重くなる。パンクだ。徳島以来でお遍路中2回目。今度は前輪。
長かった高知県愛媛県ではパンクしなかったのに、短い徳島・香川でパンクなのか。
 
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ひとまず濡れない場所を求めて、高架下へ移動。
 
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汚いタイヤ。
 
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とりはずして
 
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ざっくり。なんか爪みたいなものが刺さっている。
 
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もちろんタイヤも貫通していかれてる。嗚呼
 
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そんなこともあろうかと、スペアタイヤを持参していたが。。。でもタイヤは穴開いてても大丈夫なのかな。とりあえず持ってるんだから取替えよう。
 
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スペアタイヤに、徳島で購入したSPECIALIZEDのチューブをはめる。
 
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おおっ! 短すぎる! 32mmバルブか! これだと空気入れらんねえ!!! 昔で家で奮闘したことあるけど無理だったし! どうしよ!
 
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と、冷や汗はかいたのだが、どうにかこうにか入れた。携帯用のポンプだと取り付け口も小型なので多少短くてもなんとかなるぽい。。。フロアポンプだと無理だったよなぁ。。。
 

坂の上の雲の上の寺

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さて。多少小雨にはなってきたが、雲辺寺に自走で登る気はない。ロープウェイ乗り場へと向かう。
 
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しかし乗り場まではそこそこ登る必要があり・・・
 
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んー。看板みえてきたけども。。。霧が。。。深い。。。
 
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ちょ。。。前が見えねー
 
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看板はいいけど、どこにあんのよ、そのロープは。
 
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おおお、ここか。
 
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到着。
切符切りのおねいさんの顔が小さくて美しいので驚く。
辺見えみりさんですか?)と脳内でたずねながら切符を買い、発車時刻を聞くと、20分ごとに出るらしい。
「んー、トイレ行く暇はないな・・・」
時計を見る俺に、えみりタソは、「まだだいじょぶですよ!」と笑顔でこたえる。
雲辺寺ロープウェイの山麓駅前には大きな駐車場と食堂、土産物屋などがあるのだが、雨降りの今日はほとんど人の気配がなく、そんなところにぽつねんと座っていた辺見えみり(を、幼く、素直にした感じ)の笑顔にギャップ萌えしてしまった。そういえば、自分がこないだ読んだ自転車お遍路旅行記の本の中にも、雲辺寺のロープウェイのおねいさんが美人で云々て書いてあったな。。。何年も前の本だから別の人だとは思うがしかし、もしかして?
 
20091211t44
トイレを済ませていつもより念入りに手を洗い、鏡を見、あきらめ、自転車を駐輪して(今回は下りもロープウェイを使う)、箱の中へ。この霧では、景色どころではないわな。
 
20091211t45
スペックを読む。ん? 秒速10.0m→時速36kmって、ずいぶんスピードが出るんだな。21番太龍寺のときとはかなり違う。
 
20091211t46
さて。乗客は俺一人みたいだ。えみりタソがマイクを持って乗り込んできて、二人きりで出発──したかったのだが、もう一人、森山君そっくりの男性従業員も乗ってきた。(※森山君てのは昔のバイト仲間で無口の東大生[当時]だ)。
 
20091211t47
「本日はあいにくのお天気の中、雲辺寺ロープウェイをご利用いただきまして〜」にはじまり、「右手に見えますのは(見えないけど)〜」云々、辺見えみりタソがガイドを開始するのだが、奥に突っ立っている森山君は全く喋りそうになかったので、事実上二人きりの箱の中で、かしこまったガイド口調もあれだよね、どうせ外見えないし、の雰囲気がすぐに醸成されて、くだけたトークに切り替わった。えみりタソが辺見えみりに似ているというのは、その辺のそつのなさも含め、というか。
 
20091211t48
頂上までは7分間なのだが、口調がだんだん「ですよねーw」「あるあるwww」「でもさwww」「ウケるwwwww」とか、そんな感じにくだけてゆく(けれども、すごくいい)彼女のコミュニケーション能力が名残惜しいけれども、時速36kmで飛ばす真っ白い雲の中のロープウェイはあっという間に到着。着いたものは仕方がない。降りる。
(仮に延長しますか?と聞かれたら、延長していたと思う)
 
20091211t49
乗り場の外で傘を貸しているようなので借りる。
 
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さて。少し進むと、
 
20091211t51
県境である。
八十八箇所お遍路は、1〜23番が徳島県、24〜39番が高知県、40〜65番が愛媛県で、66番が香川〜徳島県境の徳島県側、そして残りの67〜88番が香川県という構成になっている。
 
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傘を差して、雲の中を進む。
 
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集団石像。幻想的というか。
 
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うーむ。
 
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しかし視界が悪いな。。。雲辺寺ってよく名づけたと思うよ。
 
20091211t56
標高ランキングが出ている。1位のココと、4位の太龍寺はロープウェイを使った。2位の焼山寺と3位の横峰寺は途中から徒歩登山をした。自転車で登った最高は、5位の鶴林寺か。。。
※実はネットで別の情報源を見ると、1位:66番・雲辺寺(910m)、2位:60番・横峰寺(745m)、3位:12番・焼山寺(700m)、4位:45番・岩屋寺(670m)、5位:44番・大宝寺(560m)、6位:太龍寺(520m)、7位:鶴林寺(500m)とあり、そちらのが正しいかもしれない。ただ、44番と45番はそもそも久万高原にあるので、お寺の山自体が単体で高いというわけではないので除外されてるのかな。ま、空海先生の眠る和歌山の高野山奥の院御廟が880mとか聞くから、それも含めるとまた変わるけども。
 
20091211t57
さて、本堂、太子堂を拝んでお札を入れたら納経所へ向かう。そこで俺は息を飲んだ。ゴクリ
 
20091211t86
実は、今まで六十六のお寺を回ってきて、墨書朱印をしてくれたのは、おっちゃんかおばちゃんかおじいちゃんかおばあちゃんかおにいさんだった。唯一、20番・鶴林寺伊東美咲さんを除いて。いや、複数人でやってるところもあるし交代もするだろうから全部とは言えないが、少なくとも自分の場合はそうだった。

しかし66番・雲辺寺は、若いおねいさんで、しかも格が高い。やばい。ああ。綺麗すぎる。。。なんで。。。こんなとこで。。。こんなことを。。。自分の携帯メモ帳には「奥菜恵」とだけ書いてあるのだけど、ちと違う。しかも、なんというか、化粧なんかしてない風で、すっぴんというか、美しい。美しいうえに、やさしい。かわいい。数分の出来事だから今きちんと記憶していないので、そのときの自分の心の動揺を書くことしかできないのだけども、ああ、なんだろう、もったいないというか、いやこういうの大事だろJK 信仰と美、宗教と美、いや神秘の美という方向じゃないんだ、もっと生活感の出ている、日常の美というか、そんな感じで。
 
20091211t58
その美しさに酔ってしまい、境内をふらふらと歩く。
彼女の生活を想像する。
どんなんだろう。
66個も寺を回ってきて、なんなんだろう、この俗っぽい思考は。。。
 
20091211t59
ふらふらとロープウェイ乗り場へ戻る。
そこでは森山君が待っていて、お茶を入れてくれる。
「出発まであと10分ほどあります。松茸のお茶をどうぞ」
はじめて声を聞いた。
待合には、自分のほかに4人ほどのお遍路さんがいた。
帰路のロープウェイは、往路とは別の女性ガイドさん1名と、お遍路さん5名で乗り込んだ。5人いれば安心だ、ということなのか森山君は乗ってこなかった。客が複数なので、ガイドさんはふつうにマニュアル通りのガイドトークをすすめた。
行きと帰りで箱が二つあるのだから、次のに乗れば辺見えみりタソとまた会えたのにな・・・とか思ったり思わなかったり。(それはそれで、思い出が毀損されるケースもあるんだぜ)
 
20091211t60
さて。当面の難所は越えた。雨もやんだ。ガンガン進もう。
 
20091211t61
67番・大興寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
20091211t62
68番・神恵院、69番・観音寺の合同寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
ここは二つのお寺が一つの境内にある。
 
20091211t63
68番は、
 
20091211t64
こんな感じ。
 
20091211t65
一方、こちらが69番。
 
20091211t66
さて、夕刻だ。もうちょい進もう。川沿いだとテント泊できそうだなー雨も上がったし・・・
 
20091211t67
いけいけ進め
 
20091211t68
70番・本山寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
20091211t69
さて、次の71番が少し遠いな。今日の参拝は無理だが、近くまで行ってからテントを張ろう。
 
20091211t70
コンビニで休憩。お弁当。
 
20091211t71
エクレアを補給。
コンビニの駐車場脇に座り込んで、ぼけーっとしながら食べる。
食べたらゴミを捨てて一服。
それからまたぼけーっとしている。
次から次へと車がやってきて、コンビニに入り、コンビニでものを買い、車でどっかへ去っていく。
そんな様を眺めていた。
さぁ、そろそろ行くか。
腰を上げて自転車のロックをはずしにかかると、
「あの、すいません」と同年代の女性に声を掛けられる。彼女も車でやってきた買い物客だ。
「これ、どうぞ」今コンビニで買ったと思われる350mlのペットボトルを差し出される。ラベルには「紅茶花伝」と書かれている。ホット・ミルクティーだ。
「え? でも・・・あ・・ぅ・サーセン・・ありがとうございます」とうろたえる自分。
(笑顔)
こ、これが「お接待」というのか!

お接待
道中、お遍路さんに対して地元の人々から果物や金品、善根宿など、お接待または接待とよばれ、食べ物や飲み物、手ぬぐいやときには現金を渡す無償の提供がなされる伝統がある。これに対し、遍路は持っている納札(おさめふだ)を「お接待」してくれた人に渡すことになっている。こうした文化のおかげで、昔は比較的貧しい人であってもお参りができたといわれる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E5%9B%BD%E5%85%AB%E5%8D%81%E5%85%AB%E7%AE%87%E6%89%80

しかし自分がとっさにお札を出す間もなく、彼女は車に乗り込んで、「がんばってください!」と言うと、去っていってしまった。
ああ・・・
お接待って、知ってたけど、他の人のお遍路日記なんかでは、あっちこっちでいろいろお接待受けてどーのこーのと書いてあったけど、非モテの俺には無関係のことなんだな、と思っていた。もしくはもう、そんな文化は、この不景気ですっ飛んでしまったのかな、とか。
でも、「紅茶花伝」のあったかいミルクティをもらえた。
なんか泣きそうになっている自分。
香川県に入ってから、人がみんな優しい気がする。
愛媛より県道も走りやすいし。
香川県ROVE!
ROVEはLOVEの強調形だ! 全力巻き舌のrrrrrrROVE!
 
20091211t72
そうさ、お遍路には「お接待」てのがあって、差し出されたものはありがたく受け取らなければならないというルールもある。だからザックは大きめ、余裕を持たせたものを選んでやってきたのに、その発想がダメなのか、まったく「お接待」には出会えて来なかった。が、香川に入ってからやっと出会えた。純粋に、うれしい。
 
20091211t73
べつに「紅茶花伝」が特別好きなわけではない。けれども、彼女が、コンビニでへたり込んで生まれつきの暗い顔をしている非モテ自転車お遍路さんに「紅茶花伝」をあげよう、と、選んでくれたのだ、そう考えると、うれしいじゃないか。
 
20091211t74
次のお寺は、少し山を上らなければならない。が、お寺のすぐ近くに道の駅がある。
 
20091211t75
道の駅なら大丈夫だろう。真っ暗になったが進む。
 
20091211t76
道の駅・ふれあいパークみのに到着。隣にふれあいの森公園がある。
 
20091211t77
注意書きを読む。テントがダメとは書いてない。(ま、ここは暗くなってから到着、翌朝も暗いうちに出発して写真が少ないので、こんな感じ→http://www.88henroclub.com/data/location/c41_70-iyym.html
 
20091211t80
駐車場は混んでいる。
 
20091211t81
温浴施設がある。宿泊も出来る。けど、高い。
 
20091211t82
なるほど、今日は割引デーなのか。だから混んでるのだな。
 
20091211t83
さて、ふれあいの森公園の広大な空き地をLEDライトでかざしながら捜索。雨は上がったが、まだ草地はぬかるんでいて、ロードにはしんどい。
 
20091211t84
屋根をつけた大舞台の裏手のところが乾いていたので、そこにテントを張る。
もちろん舞台の上のがいいんだけど、夏場はお遍路さんのテントで一杯になるのかもしれないココも、冬場の今は誰もいない。一人で舞台の上でビバークすることに気が引ける、というのもあり。。。
 
20091211t85
そして、「紅茶花伝」を飲んで、寝た。
 

17日目 12/11 65番・三角寺→70番・本山寺

2009/12/11の走行ログ
走行距離=70.96km
走行時間=04:57:10
平均時速=14.3km/h
最高時速=32.3km/h
累計走行距離=1417.68km


※この記事を書きながら、雲辺寺の二人の美女のことが気になったのでネットで少し調べたみら吹いたwww
 

10時40分、65番三角寺に到着。山門に「(次の)66番雲辺寺への車道はがけくずれで通行止めなので、ロープウェイを使うように」と掲示が出ている。
山の上にもかかわらず、広々とした境内である。広い庭の隅にしゃがみ込んで草取りをしている女性がいたので、「今日は!」というと、顔一杯の笑顔で応えてくれた。辺見えみり的美人だった。雲辺寺へのルートについて尋ねると、「車道は通れないけど歩きの道は大丈夫」という。
http://www.kushima.com/henro/diary/season5/diary6.htm

※これは65番・三角寺のお話だから別人でしょう。時も1998年のことだ。
 

雲辺寺時着くと多くのフライヤー達が既にロープウェイで山頂を目指し始めていた。おおおおぉと・・・今日はラッキー!(^^)/ ̄ 美人のスッチーが同乗しているではないか・・・。っと言う間に、7分の山登りが終わり山頂駅に到着した。
http://kannokur.hp.infoseek.co.jp/news/kan14.txt

※んー、どうだろ。1995年だから別人か。
 

雲辺寺は標高910メートルの高所にある。(中略)身支度をして本堂、大師堂と納経をした。納経所に行って驚いたことがあった。驚いたというか、そこのお姉さんがとても美人だったのだ。山奥の、辺鄙な寺で、納経所に座って墨書朱印を押しているその女性を不思議に思った。そこが彼女の居場所ではなくて、例えば本堂、千手観音菩薩の隣に座って、託宣をその口から告げることが彼女に相応しいのではないかと考えていた。「菩薩がそこにいた」と日記には書いている。
その菩薩、いや、きっと寺のお嫁さんか、娘さんなのだろう人にお礼を言ってから、出発した。
http://uo-uo.net/henro/archives/958

※これは2008年11月25日の記事!間違いない!
 

さくさく雲辺寺山麓駅着。ロープウェイに乗りました。
ツアー客がロープウェイの人と管直人のお遍路について語っていたよ。
山のてっぺんは気温20℃くらいでとても気持ち良かったー。
納経所のお姉さん美人だったー。
http://sweetmisery.dtiblog.com/blog-entry-2248.html

※こちらは2009年9月16日の記事。3ヶ月前。もうね、彼女に違いない。
 

雲辺寺のお嬢様は金沢区真言宗御室派宝珠院に嫁がれてますよ!美人で働き者と評判の方です、旦那さまとは知り合いで現在副住職ですが雲辺寺には定期的に手伝いに行かれるようです。victorさんも千か所奉納に行かれたはずですよ
(中略)
納経所の若い女性にドロシーさんからの情報を伝えました。すると、副住職は一昨日からこちらにいらしているそうです。
今日はいろいろと良いことがありました。素晴らしい人たちとの出会いです。納経所の女性も宿のご夫婦も素晴らしい方達です。
http://www.tc-r.com/Henro/henro2009.html

※2009年8月21日記事。人妻か。。。。。。だよね、そりゃ。。。。。。。。。
 
ネットは地獄だぜフヒヒ
































。。。。。。。。。。。。。。





































Day 18

20091212t01
なんだ、夢か。。。
はえみりたんと奥菜恵と3人で冬の雪の山道を大型SUV車で全速力で走っていた。カーステレオからは広瀬香美の「ゲレンデがとけるほど恋したい」が流れている。まったく俺に似つかわしくない。これが現実だとは思えない。これは夢なのではないか、そう思ったら、はたして夢なのだった。
 
20091212t02
身の程知らずの夢を見た後でテントを撤収。まだ湿っている草地の広場から舗装されたコンクリートの駐車場まで自転車を押し歩き、またがってみると、またパンクしていることに気づいた。今度は後輪。。。あのぅ、もう予備チューブないんですけど。。。
 
20091212t03
穴が開いてる。小さい穴だ。まだ暗いので犯人の異物が見つからない。まいっか(←死亡フラグ)。
 
20091212t04
チューブはもうないので、穴の周りを紙ヤスリでこすってからパッチシールを貼る。
 
20091212t05
以前、穴が2箇所のパンクでパッチシールを貼ってみたことがあるけど、1時間ももたなかった。ロードバイクは7気圧以上の空気を入れるので、今回穴は一箇所だけど、どれだけ持つことやら。。。
 
20091212t06
まずは、道の駅からすぐの、71番・弥谷寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
7時には納経場に入れるように急いだつもりなのにパンク対処をしていたら遅れてしまった。
 
20091212t07
しかも駐車場から本堂までの階段が長い。こんなのが5つも6つも続く。
 
20091212t08
さて、朝のお祈り。
 
20091212t09
頼みます。せめて、自転車屋を見つけて新しいチューブが調達できるまでは。。。
 
20091212t10
大師堂は室内。靴を脱いで。
 
20091212t11
さて。後輪に爆弾を抱えながら次へ向かう。高松まで38kmか。。。
 
20091212t12
弘法大師様生誕の地、善通寺市へ。しばらくはお寺が密集しており、ずっと平地だ。
 
20091212t13
72番・曼荼羅寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
20091212t14
73番・出釈迦寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
20091212t15
74番・甲山寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
20091212t17
75番・善通寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
20091212t16
善通寺は広い。お遍路以外の観光客も多い。高校生が集団で朝連ランニングしてる。
 
20091212t18
さて、腹が減ってきた。
 
20091212t19
おお!心の友よ!
 
20091212t20
朝飯はもちろん納豆定食とん汁セット。
 
20091212t21
さらに進むと、自転車屋を発見。まだ朝早いのだけど店は開いており、700×23cに使えるチューブを探してもらうが、どうもないらしい。で、別の、スポーツ車を置いていそうな自転車屋の場所を教わる。「順打ちかー、じゃ、77番の先にあるね」
 
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76番・金倉寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
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折り畳み小径車のお遍路さん。
 
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77番・道隆寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
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で、教わった自転車屋が見えてきた。
 
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なるほどこちらはスポーツ車をたくさん在庫している。目当ての適合チューブもたくさんあるというので、2つ買うことにした。それから少し自転車系の雑談などをした。
「じゃあ、今日で(お遍路)最終日?」
「いや、今日は無理ですw 明日で終了ですかね、たぶん」
「そうか。火曜あたりから一気に冷え込むらしいから、急いだほうがいいな」(※この日は土曜日)
 
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丸亀へ。嫌な思い出(@高田馬場)しかないBIGBOXの看板が。
 
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78番・郷照寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
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79番・天皇寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
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すげえ混んでる。
 
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高松まであと16km。そして、おお、スタート地点・徳島までも100kmを切った!
 
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16kmというのは中心地までの話で、区画ではもう高松市へ入る。
 
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うどん屋。この写真は少し後で撮ったのだが、店の外に人が数人並んでるぐらいで、けっこう盛況そうだ。
さっきすき屋で食ったばかりなので、腹は減ってなかったのだが、さすがに讃岐うどん無しのお遍路はマズいだろうということで。
 
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うどん@セルフ。
あとでネットで調べたら、四国に山下といううどん店は何件かあり、それぞれ違うらしい。県道沿いのココではなく、もっと見つかりにくい「隠れ家」的なお店の評判が一番良いようだけども、まぁいいじゃん、と。
しかし店内にはおっさんやおばさんのほかに、けまらしいカップルが結構いた。ふっと我にかえるように、思考の針がネガティブに振れる。つまり、このけまらしい感じがリアルの世界であり、俺のお遍路さんは現実逃避そのもの。そこにはまったく前向きな要素がない。それどころか、思考はもうお遍路の世界を終了したがっていた。このクソ寒い時期にヒマ人で英語ペラペラ(?)の俺が日本にいる必要などないだろう、せめて沖縄とか、いやむしろ南の国のどこかでグータラしたい。お遍路を強制終了したい。同じように会社を辞めて自転車お遍路に出る旅人と会っても会話が盛り上がるわけでもないし、見たところパーフェクトに近い赤のセルフレームめがねをかけた女の子に偶然2回会ったとしても、それで話しかけられるわけでもない。これから先、また別の人と、たとえば香川のどこかのセルフのうどん屋で、一人きりでうどんを食べている完璧に近い女の子と出会い、彼女が一人でうどん屋を出て
 
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鮮やかなグリーンのSOUTHERN PORTのミニベロに乗っかって東へ進む。つかず離れず追っていくと
 
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札所につくじゃないか。
 
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彼女もお遍路なのか。
 
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こんにちは。
 
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そんなことが仮に、仮に、あったとしても、それでなにか楽しい展開が期待できるはずもないのだ。やめやめ。
(80番・国分寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!)
 
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ため息をつき、次へ。
 
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まっすぐ進めば高松へはもうすぐなのだけど、その前に五色台の山の上の81〜82番、そして平地の迷宮83番・一宮寺を終わらせておかねばならない。
 
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はぁ。なんで瀬戸内海目前でこんな山があるんだ?
 
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道は太くなったり、細くなったり。
 
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途中でサイレンを鳴らした救急車とすれ違う。
 
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さらに道は続く。黒のTREKのローディに追い抜かれた。「つわーっす」
ここはヒルクラ好きのためのサイクリングコースでもあるんだな。
 
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自転車通行不可の瀬戸大橋が見える。
 
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( ゚∀゚)o彡°おっぱい( ゚∀゚)o彡°おっぱい
 
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81番・白峰寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
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五色台スカイライン
 
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あ゛ー。。。しんどい。。。
 
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82番・根香寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
 
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さぁ下る。
 
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高松市街が見えてきました。
 
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でもまぁ、四国だと、街へ入る喜び・感動てのは、少し小さめかもしれないな。
 
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次の一宮寺への道は見通しの良い平地なのだが、五色台側から向かうと、ものすごくややこしい。
案内看板に従うとどうなってしまうのかは、快速へんろ 四国遍路を楽しもう!さんのこちらを参照→「83番一宮寺への迷路
自分はナビ子(37)にお任せしたので、最短ルートかどうかはともかく、迷わずに進んだ。
 
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83番・一宮寺を(σ・∀・)σ<ゲッツ!
さて。今日はおしまい。1日で13個のお寺を回るのは自己新記録だな。パッチを貼ったタイヤチューブもよく持ちこたえてくれた。で、次の目的地は・・・
  
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「 た か ま つ え き 」
 
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さぁ、行くぞ! と思ったらまたパンク! パッチの限界がきたか・・・
 
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宿泊地を決めてからゆっくりとチューブ交換しようと思ったのにな・・・と同時にまた雨が降り始める。。。おおおお
 
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暗いし、雨だし、とっとと買ったばかりの新しいチューブに交換する。パッチの限界なのか別の穴なのか、なーんも確認せずに作業完了。まいっか(←死亡フラグ
 
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思いのほか雨脚が弱まらないので、東横インに直行する。
 
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駐輪。
 
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全力で充電。
 
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身分証明書がないのでノートパソコンの貸し出しは断られた。でも部屋の液晶テレビにUSB口があったので、USB機器も充電する。
さぁ、残る札所はあと5つ。うち3つが山ではあるけれど、明日で88個、完了できるかな。
 

18日目 12/12 71番・弥谷寺→83番・一宮寺

2009/12/12の走行ログ
走行距離=83.17km
走行時間=05:40:39
平均時速=14.6km/h
最高時速=42.6km/h
累計走行距離=1500.85km

 
Part9へつづく...